episode33 ページ33
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俺が軽い返事をしてしまうから頑張って会話をしようとするニッケルの頑張りを踏みにじってしまった。
ニッケルもこの空間が気まずいと感じているらしい。
そんなこと言ったって俺だって会話を続けるのは難しいんだ。
「そうだ。ドラコは夏休みどうやって過ごすの？」
「特になにかするわけじゃないよ」
「そうなんだ。もし良ければ二人とも僕の家においでよ」
俺がそう言うと二人は食い気味にいいの？！と興奮した様子で言ってきた。
なんだかこの間のハーマイオニーのようで俺はつい驚いて仰け反った。
「う、うんいいよ。親はいないし。泊まりに来たいなら泊まりでも構わないよ」
「うわ、嬉しい」
「いつでも遊びに来てもいいけどせめて前日までにはフクロウ便で教えて欲しい」
俺がそう言うともちろんだよと二人は声を揃えた。
意外と仲がいいのか二人とも。ドラコは喜びをかみ締めているようだった。
その後は思いのほか会話が弾み気づいたら汽車は終点に着いていた。
二人と別れ帰路につく。別れる際ドラコのお父さんだろうかそういう雰囲気の人と目が合ったので微笑みながらとりあえずお辞儀をしておいた。
煙突ネットワークで帰るために漏れ鍋まで軽く歩く。
突然石ころに躓いたのか荷物を積んでいるカートごと宙に舞った。
俺も思わずバランスを崩す。倒れる前にルトを籠ごと自分の腕の中に収める。
気がつくともう地面との距離は数cm、呪文が使えないマグル界では転ぶのをただ待つだけ。
ぎゅっと目を瞑り衝撃に備えた。
ガンっと鈍い音が聞こえ頭に割れるような痛みが走る。
痛みに思わず涙が零れそうになる。
腕の中にいるルトとポケットのニフラー達に声をかけると、俺を心配するような鳴き声が返ってきた。
大丈夫とは言えないこの状況。
とりあえず立ち上がって辺りを見回すとそこは先程居た場所とは打って変わって全く知らない場所だった。
嘘じゃん。ここどこだよ。
ホグワーツから持ってきた荷物もないし、あるのは自分が咄嗟に抱えた動物と着ていたローブに杖。
全く知らない場所に戸惑っていると誰かが声をかけてくれた。
「君、大丈夫？ここは危険だよ」
「え、あ、ごめんなさい道に迷っちゃったみたいで。ここ何処か分かりますか？」
「ここはニューヨークさ」
「」
驚いて声も出なかった。嘘だろ？ニューヨークだって？いや、嘘って言っておねがい。
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