episode4 ページ4
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薄暗い店の中から君はと店主に声をかけられた。
「スキャマンダーです。」
「そうか、そうか。お母さんに顔がよく似てる」
オリバンダーさんはそう言って奥から杖を取りだしてきた。
「君の両親からこの杖を渡してくれと言われておった。」
「トネリコとライム…」
俺が杖を受け取ると素材をつい口に出してしまうオリバンダーさん。
杖を受け取った瞬間、自分の力がさらに腹の底から這い出してくる感覚がよぎった。
「良かった。あったみたいじゃな」
「ええ。ありがとうございます。」
俺は杖と制服を受け取って家に帰った。
早く大人になりたい。俺の歳じゃ魔法は使えないからね。
姿くらましとか使えて便利だろ。
なるべく動きたくないんだ。そんなことを考えながら帰路に着いた
「ただいま。ラット」
「お帰りなさいませ。カタカナ推奨坊っちゃま」
ラットは俺から上着と制服等を受け取るとそそくさと荷造りを始める。
「ラットいつもありがとね。」
「いえ。夕食になさいますか？」
「そうする。」
結局、交流をあんまり好かない俺はネビルしか知り合いになってないし。
大丈夫かな、顔はね。母に似て整ってるから何とかなりそう。
性格も、って性格は誰とも似てないや。でも動物との接し方はおじいちゃんに似てるって小さい頃おばあちゃんに言われた気がする。
夢かもしれないけど。
「夕食の準備が整いました。」
「ありがとう。そうだ、ラットは俺が居なくても平気なの？」
「寂しいですとも。しかし坊っちゃまがホグワーツに行かれてる際は奥様方から戻ってくるよう言われておりますので。」
「そうか、なら安心だ。ラットを一人にさせる心配が無くなったよ。」
「お気遣い痛み入ります、」
本来なら屋敷しもべの扱いはもっと雑なのだからかラットはこうして今のように時々嬉しさで涙を流す。
＿＿＿いよいよホグワーツへ旅立つ日。
ラットは家で涙を拭いながら見送ってくれた。
９と４分の３番線には無事辿り着いたし、今はホグワーツ特急のコンパートメントにいる。
荷物も早めに乗せたし。
誰か相席に来ないかなーなんて軽く思っていた。
俺はルトを膝の上で可愛がりながら車窓から駅のホームを見つめる。
そんな時ガラガラと大きな音をたててコンパートメントのドアが開いた。
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