episode29 ページ29
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残るひとつを抱えて俺は校長室へ向かった。
校長室の前に来て思ったこと、それは校長室の開け方を知らないということ。
流石に校長室に呼び出されたこともないので分かるわけが無いのになんでここに来たんだろう。馬鹿なのかな。
俺は仕方なく夕食時大広間で彼がやってくるのを待っていた。
渡したくてうずうずしている俺はつい早めに夕食を済ませてしまった。
大広間に入ってきた彼を見つけると俺はすぐさま駆け寄った。
「アルバス先生。」
「おお、カタカナ推奨か。メリークリスマス」
「メリークリスマス。プレゼントです」
俺がそう言って先生にプレゼントを渡すと目を大きく見開いて開けてもいいかのと聞いてきた。
「どうぞ」
「おお、これは。つけてみても？」
「勿論」
俺が先生に渡したのはメガネだった。
「とてもお似合いです」
「プレゼントなんていつぶりじゃろうか。ありがとうなカタカナ推奨」
アルバス先生は俺の事をそっと抱きしめて頭を撫でてくれた。ついでに先生はさりげなく額にキスを落とした。
それからというものアルバス先生が俺の渡したメガネをずっとつけていてくれて俺は口角が上がった。
加えて、セブルス先生も俺の渡したブレスレットをつけているようだった。ローブが大きくて見えにくいんだけどね。
＿＿＿クリスマス休暇が終わり、ニッケルが戻ってきて騒がしい日常が戻ってきた。
「ねぇ！カタカナ推奨！！君ほんとにあれ貰っていいの？！」
「何が」
「Nimbus2000だよ！！クリスマスプレゼントで贈ってきてくれたじゃないか！」
「君が欲しいって言ったんじゃないか。要らなかったの？」
俺が嫌味っぽく言うとそんなことないよ！とニッケルは俺を抱きしめた。
「まさか君がくれるなんて思わなかったよ」
「貰ったんだから飛行訓練頑張ってくれなきゃ困るよ。それこそクィディッチの選手に選ばれるくらいにね」
俺がそう言うともちろんさ！とニッケルはすごく張り切っていた。
まあ、Nimbus2000ひとつくらい俺のお小遣いに支障はないから良いんだけどね。
色々な生徒達が戻ってきており、談話室に向かうとドラコを見かけた。
彼の手首を見ると俺のあげたブレスレットをきちんとつけてくれているようだった。
「付けてくれたんだね」
「当たり前だろ」
そういうドラコは自慢げに微笑んだ。
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