episode25＿クリスマス ページ25
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「な？言ったろ」
「ちぇ。つまんねーの」
ニッケルはつまらなさそうに頬杖をついた。
俺はルトを撫でながら抱き抱え立ち上がる。
俺と目が合ったハリーにおめでとうとリップシンクで伝えた。
＿＿＿先生から貰った薬のおかげで夜苦しむことはなくなったし、特に何も無くクリスマス休暇が訪れた。
「カタカナ推奨は帰省しないの？」
「うん。家に帰っても誰もいないしね。わざわざ僕が帰るがためにラットを家まで戻らせるのは可哀想だ」
「ラットってあのお前ん家の屋敷しもべだろ？」
「そうだよ。彼は優しいんだ」
「優しいのはお前だよ。誰も屋敷しもべに気なんて使わないし可哀想だなんて言葉かけないぜ」
そうかもねと簡単に返して荷造りを終えたニッケルと話す。
彼は家に帰るそうだ。家といえば、俺の家に置いてきた魔法動物たちが恋しい。
俺が10歳の時におじいちゃんから世話を任された大切な子達。
ニッケルにじゃあまた休暇明けでと一声かけて見送った。
実はラットが詰めてくれた荷物の中をあまり整理する時間が無くて必要なものを必要な時に必要なものを出していたくらいだった。
なんてったってほらあのニッケルと部屋で騒いでたからさ。
荷物を整理しようと箱の中を除くと俺のお気に入りの掛け布団や枕が入ってた。
入ってたなら使っておけばよかった。これで睡眠はかなり良くなるはず。
箱の一番下に見覚えのあるトランクを見つけた。
箱の中からトランクを取り出しトランクの鍵を開けると、中からニフラーが飛び出してきた。
ニフラーは俺に抱きついてきてその後に続いてボウトラックルも出てきた。
「お前、パースか？」
俺の腕に引っ付くボウトラックルにそう問いかけると嬉しそうに笑った。
みんな置いてきたと思ってたけど、ちゃんとラットが入れて置いてくれたんだ。
ニフラーが可愛くて可愛くてしょうがなくて俺は抱き捕まえて頬を擦り付けた。
ボウトラックルのパースは俺によく懐いていて、ローブから離れてくれなくなった。
俺はローブのポケットにニフラーとパースを入れて大広間へ向かった。
ルトだけ置いていくのは可哀想なのでルトもきちんと連れていく。
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