episode20＿弱くなる夜 ページ20
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いつも俺を起こしてくれているニッケルでさえも寝ている時間に起きてしまった。
昨夜中々寝付けずにかなり遅い時間に朝起きれないことを覚悟して寝たのだが有り得ない時間に起きた自分に少々腹が立つ。
仕方なく俺は談話室に向かい砂糖マシマシのホットミルクをいれた。
暖炉に火をつけて暖まっていると誰かが起きてきた音がした。
誰だろうと思い目をやるとそこにはハリーにいつも嫌味を吐くドラコがいた。
「早いな。いつも大広間で目を擦っているのに」
「おはよう。眠れなくてさ」
「何飲んでるんだ？」
ドラコは俺の隣に腰かけてコップの中身をのぞき込みながらそう聞いてきた。
「ホットミルク。砂糖マシマシの。飲む？」
俺がそう聞くとドラコは少し悩んだ末飲むと小さく言った。
俺は魔法を使ってドラコのコップとホットミルクを用意する。
「少なくていいからな」
わかったと返事をして沢山入れようとしていた手を1度止めて俺なりの少ない量を入れる。
俺はどうぞとドラコに渡すと猫舌なのか息を吹きかけて冷ましていた。
「甘党なのか？」
「コーヒーは飲めない。カフェオレも。ミルクティーはいける。コーヒーミルクもギリギリいけるかな」
「ふっ、お子ちゃまだな」
「、みんなが大人びてるだけでしょ。俺くらいの歳ならこのぐらいが普通なのー」
「ん、あまい」
ドラコはホットミルクを口にしてそう零した。有り得ないあのくらいの量なのに。
「はー？俺の半分も入れてないんですけどー！文句いうならもうカカオでも入れれば？」
「これでいい。美味しいよ。そういえば口調いつもと違うね」
俺はドラコに指摘されて始めて自分の口調が緩んでいることに気がついた。
こんな喋り方ラットとかにしかしないのに。
「寝起きだからだろうね」
ドラコはそういうと俺の顔を触れて目元を親指でさすった。
俺は突然触れられて思わず身体が跳ねた。触れられ慣れていない俺は急に触れると驚いてしまう。
「隈が出来てる。いつもは寝坊助なのに早く起きるからじゃないか」
「、だから寝れなかったんだよ。こんな時間に起きるつもりなんてなかった」
ドラコの俺を見る目はまるで愛おしいものでも見るかのように柔らかかった。
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