episode16 ページ16
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ハロウィン当日。
ハロウィンと言えど授業はあるので夕食時の大広間ではどんな飾りつけがされているのかとワクワクする気持ちを抑えて呪文学の教室へ向かう。
「魔法使いの最も基本的な技術。それは浮遊の術そう。すなわちものを浮かせて飛ばすことです。さあ、羽は持ってきているね」
そう先生が問うとハーマイオニーは先生に羽を見せた。
同じように俺の机の上にも羽が置いてある。
「練習した手首の動きを忘れないように。びゅーんときてひょいっです。みんなで？」
先生がそう言うと皆も杖を手に持ち手首の動きを真似する。
「よろしい。呪文を正確に。ウィンガーディアムレビオーサ。やってごらん」
先生の言葉を皮切りに次々と自分の聞き取ったようにみなが発音しだした。
人それぞれの発音が行き交い俺は毎回頭を抱える。
隣にいるニッケルは俺の発音とリップシンクをよく見ようとこちらにキラキラと目線を向けていた。
俺は1度苦い顔をしてしっかり正確に発音して呪文を唱える。
「ウィンガーディアムレビオーサ」
俺は羽を天高く飛ばし自由自在に操って見せた。
すると向かいにいるグリフィンドール生からも羽が上がってきた。
誰かと思い目をやればハーマイオニーだった。流石だなと思いニッケルに目をやれば彼は咳払いをしてから呪文を唱えていた。
「おぉ！よく出来ました！みんな見たかねMsグレンジャーがやりました！素晴らしい。Mrカタカナ推奨は流石ですね！彼らから教えてもらいなさい」
先生がそういうと急にバンと爆発音が聞こえ驚き目をやると羽が焦げるほどの爆発が起きていた。
呪文を放った本人は髪の毛はちりちりになり顔も煤だらけだった。
一体どんな間違え方をしたんだと思いニッケルに声をかける。
「お前は絶対あんな間違い方するなよ。」
「、もししたら？」
「もう教えない」
そういうニッケルはいつもより集中して取り組んだ。
授業が終わるとハーマイオニーが泣きながら次の授業に向かおうとしているのが見えた。
ニッケルにごめんと声をかけて俺は彼女を追った。
「どうしたの？大丈夫？」
「カタカナ推奨…」
俺が彼女の涙を拭いながら何があったのともう一度言えばハーマイオニーはポツリと話し始めた。
「ロンに正しい発音を教えたら、馬鹿にされて」
「酷いな」
俺がそう零すと彼女は歯止めが効かなくなったのか俺に抱きついて泣きじゃくった。
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