episode14 ページ14
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そんなある日ふと廊下を通りかかると女子の集団が見えたので思わず物陰に隠れた。
「あなたグリフィンドールの穢れた血の癖にスキャマンダーくんに近づかないでよ！」
「カタカナ推奨はそんなこと気にしないって言ってくれたわ！そんなにカタカナ推奨が好きなら自分から話しかければいいじゃない！」
おっとー、この声もしかしてハーマイオニーじゃん。
え、俺女子の修羅場覗いてんの？殺されない？大丈夫？
「うるさい！！なんで勝手に名前で呼んでるのよ！！」
「名前くらいで騒がないでよ！」
「きっとスキャマンダーくんもあなたのことなんとも思ってないわよ。ただのお荷物としかね」
そういった次の瞬間ハーマイオニーに話しかけていた女の子が杖を抜いた瞬間を見た。
マズいと咄嗟に2人の元へ駆け寄り足早に杖を抜く。
「フリペンド」
彼女の呪文を唱える声だけが聞こえた。俺は彼女が呪文を唱えきる前にエクスペリアームスを無言で唱えた。
言葉にしたら文字数の長いこちらがどうしても後に出てしまうので仕方なく無言呪文だったのだ。
「大丈夫？」
「ええ、ありがとう」
「なんでスキャマンダーくんが！」
俺はその声を聞いて先程から思っていたことが少し溢れた。
「君に苗字で呼ばれたくないかな。祖父を貶されているように感じる」
そう言い放つと彼女は顔を真っ赤にして去っていった。
顔赤くする必要あったかな。なんて首をかしげれば後ろからあのと声が聞こえた。
「ん？」
「ごめんなさい。私のせいであなたに迷惑かけたわ」
「迷惑なんて思ってないよ。さっきの子スリザリン生だったね。他寮の君と仲良くしていればきっとこういうのは避けられないと思うし、できる限り俺が守るから。気にしないで」
「いや、気にしないで欲しいのはこっちよ。でもありがとう」
「俺は付き合う人は選ぶタイプだから気にしなくていいよ」
俺はそう言って彼女に静かに保護魔法をかけた。
まだ完成度は低いがある程度の攻撃からは守れるだろう。
図書室で勉強しよっかなんて声をかければハーマイオニーは喜んでと返してくれた。
今回の事件は俺の寮としての自覚が足りなかったからだと思う。
得点とかそういうのもそうだけど、他寮と関わることのリスクを教えられた気がした。
俺は自分はスリザリン生なんだということを深く胸に刻んだ。
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