episode13 ページ13
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「いや、用ってほどではなくて勉強どんなのしてるのかなって気になっただけだよ」
「そう。ごめんなさい。冷たく当たっちゃって」
先程声をかけられた時よりも落ち着いたのか柔らかい空気をまとい出した。
「ううん。こっちこそごめんね知らない人に急にジロジロ見られたら嫌だよね」
「全然知らなくはないんだけど、まああまり勉強が上手くいかなくてイライラしてたの」
「上手くいかない？」
「そうなの。ここの魔法薬学なんだけど手順を何度試しても上手くいかなかったのよ」
彼女がそういい指さした箇所を顔を近づけて覗き込んだ。
これは俺が小さい頃に難しくて何度か試してやっと出来た調合だった。
「あー、確かにこの調合は難しいよね。ここの手順をこういう風に変えるともっと簡単に作れるんだ」
「！さすがね、また分からないところがあったら聞いていいかしら？」
彼女のノートに軽くメモを書き記しながら説明すると頭のいい彼女はすぐに理解したようにノートに次々に書き込んで言った。
「そうだね。僕も勉強になるから。そういえば君魔法薬学の初授業でハリーの隣にいた子だよね」
「覚えてたの？」
「うん。名前なんて言うの？なんだかその雰囲気だと僕の名前は既に知っているみたいだ」
「ええ。あなたは有名人だもの。ハリーに劣らないほどのね。私はハーマイオニー・グレンジャーよろしくね」
「改めてカタカナ推奨・スキャマンダーだよ。よろしく」
俺はそう言ってさりげなく手を差し出すとハーマイオニーは一瞬戸惑った様子を見せたがすぐさま握り返してくれた。
＿＿＿それから数日暇さえあれば俺はいつも通り図書室に通う。
しかし、最近はよく彼女と会う彼女は会う度に質問してくる勉強のレベルが上がっていきいつか俺が教えられる側になるかもと肝を冷やしている。
「ハーマイオニーは吸収が早いから教えているこっちも楽なんだ。全然頼ってくれて構わないよ」
「私も学年一位に勉強を教えて貰えて嬉しいわ。ほら、私ってマグル出身じゃない。成績のいい子はみんな純血で関わりにくいから」
「まだ学年一位になったわけじゃないけどね。血がどうなんて僕は気にしないよ。スリザリンのくせに何言ってんだって思われるかもだけどね」
俺の言葉が酷く心に刺さったのか彼女はその日を境によく俺に話しかけてくるようになった。
図書室以外でも勉強のこと以外でも。
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