episode1＿新生活 ページ1
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目を開けると外は明るく、朝というよりは昼の方が正しい気がした。
倦怠感の強い体を起こすには辛くて、とりあえず目を開けて部屋の時計を見つめる。
時計の短針は11を指し長針は1を指す。見つめ始めてきっちり3分。
まだ倦怠感があるけど仕方なく上体を起こして机の上にある水をアクシオで引き寄せる。
普段から無言呪文を使っているのはきっと同世代では自分だけだと思う。
コップ一杯の水を飲み干し浮遊魔法で机の上にコップを戻す。
すると部屋のドアが開きラットが入ってきた。
「お目覚めですかな。カタカナ推奨坊っちゃま」
「うん。おはよう」
俺がそう微笑みながら挨拶を返すとラットもおはようございますと軽く返してくれた。
ラットは部屋に入ってくると俺のベッドの上に座ってあるものを渡してきた。
「あー、もうそんな時期、？」
「えぇ。入学おめでとうございます」
ラットから渡されたのはホグワーツ魔法魔術学校からの入学許可証だった。
まあ、屋敷しもべもいるような名家だ。
ホグワーツのことも知っている。
「昼ごはんお食べになられますか？」
「うん。そうする」
ベッドから離れて着替えを始める。
去年から一人暮らしを始めた。両親が勝手に決めた家の決まり。
英才教育をしてホグワーツに入学する1年前から親元を離れ1人前になるまでは家族と会わないっていう自立を目標とした決まり。
そんな意味の分からない決まりを作った教育熱心な両親が嫌いだ。
去年までは兄がなんだかんだ俺にべったりでウザかったけど、居なくなればそれはそれで寂しいわけで。
俺には双子の兄がいる。兄は別のところで一人暮らしをしている。
屋敷しもべは居ないらしく、それでも一人でやっていけるらしい兄は俺より出来がいいと思われているんだろう。
実際に兄の家に行ったことなんてない。というか行ったら殺される。親に。
双子なんだから嫌でもホグワーツで会うのに、俺と兄を別々にする意味が分からない。
親の考えることが分からないなんていつもだけど。
ラットから受けとったホグワーツからの入学許可証の他に準備するもののリストと両親と祖父母から手紙が届いていた。
着替えを済ませラットが用意してくれた昼食にありつきながら貰った手紙を読み始める。
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