ーーと言うなの救済を (ページ5)

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どうも皆様ご機嫌よう。
現在私、A・カタルシアは中身がおっさんの美少年と見つめ合っております。もう、これは運命としか言いようがありません。そう、これは…

(これ絶対に巻き込まれたやつじゃん！！)

遡ること数十時間前＿＿

「「AHappy Birthday!!」」

「お母様お父様ありがとう!!」

一年という時間はすぐに過ぎ行く物で、この世に降り立ってから7年目になった今日この頃。
午前は母や近所の人からお祝いされ、夕飯の時にいつもは忙しく顔を合わせる事の少ない父といつも通りの笑顔の母の2人が盛大にお祝いしてくれる。
母は手作りのケーキをキッチンから運び父は実の娘である私をお姫様としてまるで執事の様な英国紳士っぷりを発揮していて、かという私もそれに合わせ何処かのお姫様の様に振る舞う。そして、その後に母が
「あら、こんなに可愛らしいお姫様がいるなんて嫉妬してしまうわね」
と微笑み、父が
「君は毎日素敵だよ」
と母を持ち上げる。これは毎年恒例である。まるでバカップルだが、体を引き寄せイチャイチャしないところは大人の余裕なのだろうか。
分けられお皿に乗ったケーキを咀嚼しながら両親を見ていると父が爽やかな笑みを浮かべる。何だろうかと思うとすぐに話が切り出された。

「A、明日お父さんと一緒にデートしようか」

デート…だと。現在は幼女の姿をしているが中身は腐っても三十路手前の独身女。しかも、恋や愛は生きた化石レベルの人間なのだぞ。
しかも、ちょっと前のめりになりながら私の頬に付いていたのであろうクリームを指ですくい上げ微笑むあたり狙ってきている。というか、「お父さんと」って言う時点でもう好き。なんなの、お父さんも攻略対象なの！？そうなんでしょ！？こじれ系恋愛シュミレーションゲームでそういうのあるの知ってるんだから…！
……とはいえ、久しぶりに父と出かけられるのだ答えは勿論

「本当⁉行くわ！」

YESである。
その言葉を聞いて両親はふふと笑うのだ。