No.34 : 言いかけた言葉 ページ38
不細工鳥。と呼ばれたネロは、ココッと言い残して俺の頭から飛び立った。俺達の頭上、天井に円を描きながら紺色の翼を羽ばたかせる。
上を向いて首が痛くなってしまい、前に向き直ると、Aは天井を回るネロをぼおっと眺めていた。
上に反り立つ細やかな睫毛がいっそうよく見える。下睫毛が目の淵をびっしりと覆っている。瞬きをするたびに、パサッと音が鳴りそうなほど量が多くてとても長い。
上を向いた態勢のまま「なんでここに?」と訊いてきた。
「タオルを探しに来たんだけど、ぜんっぜん見つかんなくてよー」
「わたしもタオル探しに」
「まじか」
いまだに天井を飛び回るネロ見ながら、そう言った。Aは眩しそうに目を細め、少しの間を置いて、ふぅ。と息を吹き前に向き直る。
「タオルの場所わかんないの?」
「おう。めっちゃ迷いそう」
「わたし、知ってる。案内しようか」
「まじで!」
迷いそう。という言葉に一瞬驚いていたが、すぐにいつもの顔に戻った。
こいつより長くアジトにいたはずが、知能では俺は他人に劣るようだ。まぁ、今に知ったことたじゃないけど。
こっち。と歩き出すAの背中を追った。ペタペタと鳴るつっかけと俺の靴の音が、他に誰もいない廊下に響いた
♧
それからはほぼ無言だった。
第一俺が話しかけても、こいつはすぐ話を終わらせる。(なんだお前カットマンか。トークカットマンか)別に無理に話せと言いたいわけじゃない。ただ少しだけ、俺に壁を隔てたがっているように感じてしまったのだ。
浅瀬色を揺らす、彼女の後ろ姿を見る。
ダイヤモンド王国の人間は、やっぱり放つオーラみたいなものがちがう。なによりも空虚で、虚しく、それでいてとても、どことない哀しさがあった。
あのダンジョンで会ったトゲトゲツンツン頭野郎もだけど、それにAは似ている。
声に生気が感じられなかったり、話し方もいつも途切れ途切れで下手な気がする。今日だって、宝石を組み立てていた時も
_フォスフォフィライト
__ノエル達は、行ってないよ
____…わたし、ちゃんと…
「…ん?」
思い出している途中、少し気になった。昼間言いかけたあの言葉。一体なにが言いたかったのだろう。
「…なぁ」
「?」
「昼間言いかけたこと、あれなんだったんだ?」
振り向かず進み続ける背中に問いかけた。問いかけに、彼女は静かに歩をとめた。
チャ「今日のチャーミー占い!!」
今日は海!エビさんカニさん…海鮮料理…!
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うささる - 森さん» わぁぁ…私の更新待つ人がいるなんて…。ありがとうございます。宝石って所はぶっちゃけすごい悩みました。猫型ロボットにしてやろうか!?あぁ!?とか試行錯誤した結果ですね←どうか、まだ周りに馴染めない主ちゃんを応援してやってください。彼女もきっと、がんばります (2019年2月9日 23時) (レス) id: 131a8ab39b (このIDを非表示/違反報告)
森 - うわぁぁぁぁ!!!更新まだですか!?すごく面白いし、主人公が宝石って所が良いですね!? (2019年2月7日 20時) (レス) id: e8b36fb0f2 (このIDを非表示/違反報告)
うささる - Mahtaさん» チャーミー同士第三号よ←貴女もわかりますか。チャーミーの可愛さはあの口癖で引き立てられてますよね。とてつもなく可愛いです。抱き締めたいです←口癖とかも考えながら主ちゃんと絡ませてくつもりです。コメントありがとうございます。 (2019年1月22日 0時) (レス) id: 131a8ab39b (このIDを非表示/違反報告)
うささる - poppsさん» 可愛いですかそうですかありがとうございます。ほぼポーカーフェイス無口の極みですが、可愛さこれからも色々だしてくんで。えぇ。それとNo.0は正体不明野郎ですね。なんなんですかね。話の途中に0とかふざけた名前で割り込んできた奴。更新がんばります (2019年1月22日 0時) (レス) id: 131a8ab39b (このIDを非表示/違反報告)
Mahta(プロフ) - チャーミーたんの"ら〜"ってかわいくない? (2019年1月21日 16時) (レス) id: 7a57e948cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うささる | 作成日時:2018年12月22日 20時