愛 ページ25
.
.
駿「聞いてもいいですか」
和也「ん？なんでもいいよ？(笑)」
駿「奥さんが亡くなるって分かった時、どんな気持ちでしたか」
和也「感情がなくなった」
駿「…」
和也「悲しさとか寂しさとかやるせなさとか悔しさとか、ぜんぶ詰まって真っ白になってさ、でも。そんな俺を見てあいつは笑うんだ。なにその顔って」
駿「…」
和也「受け止めることは最後まで出来なかったし、今も納得してない」
.
.
海の見えるレストランで3人でランチ。
私の隣にいる駿。私の向かい側にいるパパ。駿の向かいには、ママがいて欲しかった。
だけど不思議。私はママがいたことの記憶さえもないのに、パパの隣にはママがいる気がするの。ふんわり私たちを見て笑って、それでいてパパと仲良さそうに耳打ちしてたり笑ったりしてるのが、想像つくの。
.
.
和也「すっごい泣いたしね。あいつの顔を、姿を見る度に視界が涙で滲むから、でもそんなとこ見せたくなかったから陰で泣いてたのにあいつは気付いてたっぽいし」
駿「…」
和也「結局、Aの前で泣いたのは息を引き取ってからかな。仕事してて最後にも立ち会えなくて、連絡もらって急いで行ったらもう…遅かった」
莉緒「……」
和也「縋りついて泣いたよ(笑)なんでどうして…って。俺も死にたくなった」
莉緒「……」
和也「でも。何回でも言うけど、俺は守るべき人がいたから。…莉緒がいたから、やってこれた」
莉緒「……」
和也「あいつの居ない世界は相変わらず窮屈で退屈でしょうがないけど、それでもやっと。人生楽しいなって思えるまでは。莉緒や駿くんのおかげで来れたよ」
駿「僕は、全然」
和也「私の人生を彩ってくれてありがとう、ってあいつは手紙に書いててくれたんだけど」
.
.
和也「俺、本当に彩ってやれたのかなって思ってた」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 352人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とも(プロフ) - 号泣です。悲しくてやりきれない気持ちととっても温かい気持ちにもなれました。ステキなお話をありがとうございました。 (2020年11月26日 11時) (
レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
サキ(プロフ) - もんぶらんさん» もんぶらんさんありがとうございます♪私の作品で涙腺崩壊して下さるお方がいらっしゃるなんてびっくりです(笑)二宮くんを愛を感じ取ってもらえたようでとっても嬉しいですー！本当にありがとうございますー！ (2016年7月28日 1時) (レス) id: 76d0ccb008 (このIDを非表示/違反報告)
サキ(プロフ) - りなさん» りなさんありがとうございます♪そう言って頂いて本当に光栄に思っております。何だか照れくさいですがとってもとっても嬉しいですー！是非またコメントお待ちしておりますー！ (2016年7月28日 1時) (レス) id: 76d0ccb008 (このIDを非表示/違反報告)
もんぶらん(プロフ) - すごく感動しました。二宮くんの奥さんそして娘への愛が沢山伝わってきました。涙腺崩壊です……。 (2016年7月27日 1時) (レス) id: 0a41b60122 (このIDを非表示/違反報告)
りな - とても、感動しました。ただ、悲しいだけじゃなく、家族のありがたみが改めて感じることの出来る作品だと私は思います!!!サキさんの作品他にも見てみようと思います。 (2016年7月17日 19時) (レス) id: 4d5bac2a9f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
