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『はあー、疲れたぁー』
やっと資料を読み終わり、時計を見れば午後3時。
起きたのが12時半くらいだったから、2時間半も読んでいたことになる。
せっかく寝て疲れが取れたところなのに、また疲れた。
完全にココのせいだ。
あとで文句言ってやる。
にしても、この組長かなり有能だな。
資料通りで間違いないとすれば、相当な戦力になるだろう。
元々父親のものだった組を、他の有力者を退けて継いだらしい。
かなり大胆な奴だ。
女で組長というのも興味深い。
これが丸ごと部下になると思うと楽しみだ。
早速ココのところへ。
『ココー入るよー』
「おう」
『あの組全部私んとこにちょうだい』
「まあそう言うだろうと思ってたよ
手配しておく」
『ん
ありがと』
「すごいだろ、組長の“羽邑”って奴
17歳の女でそれなりの大きさの組のトップだ」
『父親はうちに借金して殺されたけどね』
「そうだな」
組長・
さらに裏切ろうとしたのが発覚して三途に殺されている。
雨音は組長就任後、自分で金を生み出し借金を返すという仕事をこなし認められたらしい。
金をどうやって生み出したかはどうでもいい。
どうせ闇金なのだろう。
そのくらいなら誰でもできる。
気になるのはその年齢だ。
組長就任は15歳の時。
つまり借金返済を行ったのも15歳。
常識的に見ればまだ義務教育の途中なのだ。
本当にそれだけの力量があり、自分でやったのか。
誰か頭の切れる協力者がいたのか。
まあどっちでもいいけど。
部下になれば全部分かるだろうし。
次の日。
内線でココに呼ばれ、ビルの正面ホールに向かう。
そこには見慣れたココの姿の他に、大勢の柄の悪い連中が。
『おはよー
これが“羽邑組”？』
「そうだ」
『私がAね
よろしく
お前らの情報は全て把握してるから』
覚悟しとけよ。と言うと面白いほど全員が反応した。
その様子に思わず笑ってしまう。
「おいA
羽邑来たぞ」
『え
あの組長の子？』
辺りを見回し女の姿を探すが見つからない。
『ねえ、どこに…』
そこまで言いかけ、ふと背後からの気配を感じて咄嗟に飛び退く。
「あれ、気づかれました？
自信あったんですけど」
『…やるじゃん
羽邑雨音』
「そんな堅苦しい呼び方やめてくださいよ
雨音でいいですよー」
後ろには長い髪を高くまとめた女が。
こいつが羽邑雨音か。
『…面白そうじゃん』
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作者名：ユキネコ x他1人 | 作成日時：2022年9月1日 10時
