第三章 ページ15
私が12歳、まだ堅気として表の世界で生きていた頃。
父も母も生きていた頃。
私は勉強も運動も平均的な“普通”の子供だった。
人の心を読める能力を除いて。
この能力のせいで周りにうまく馴染めなかったし、馴染むつもりもなかった。
ただ、私の能力を理解して、大切にしてくれる父と母は私の居場所だった。
今思えば、お互いを信頼し合ういい家族だったと思う。
しかし幸せな家庭にこそ邪魔は入る。
その邪魔者は、父の弟、つまり私の叔父だった。
叔父は私のことを“人外”と呼び、
“人外”を生んだ父と母のことを軽蔑した。
金を借りている身にもかかわらず。
父は小さいながらも顧客の多い雑貨屋を経営していた。
評判も良く、わざわざ遠くから来る人もいたくらいだ。
その売上げの3分の1を叔父は借りていた。
毎月、毎月。
いっこうに返す気配もなく、しかし優しい父は黙っていた。
そして私は知った。
叔父が反社会的勢力に身を置いていること。
稼ぎは充分あるのに、父から金を脅し取っていたこと。
その金は彼の部下の給料に使われていたこと。
父から搾れるだけ搾り取って捨てるつもりだったこと。
知ったのは12歳の後半、つまり小学6年生の時。
ある日、父と叔父が話しているのを聞いてしまったのだ。
その日から私の心は黒くなっていった。
腐るほどいる不良たちを端から潰していった。
素手は無理だから、専門店で購入したスタンガンが武器。
いつしか人を殺して少年院に入ることになるほどに。
2回目に少年院に入ったのは13歳の時。
その時も3人殺した。
毎日のように少年たちを相手に喧嘩をしていた。
しかしある時、“極悪の世代”として名を馳せていた同い年の少年6人に出会い、私は変わった。
少年たちには計画があるらしく、
私を同じ世代だから、と計画実行に加えた。
“東京中の不良を牛耳る”という計画に。
私はその計画に魅力を感じた。
叔父に復讐するためにも。
私の能力を高く評価してくれた彼らに恩を返すためにも。
出所後、能力を高めるために厳しい訓練をした。
おかげで表情を見ただけで心が読めるようになった。
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作者です。
更新休ませていただきすみませんでした…
体調も回復したので、更新頑張ります！
読んでくれている方、本当にありがとうございます！
テンプレやったのでぜひ見て下さい！
http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Homupe1/
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作者名：ユキネコ x他1人 | 作成日時：2022年9月1日 10時
