#5 ふたり ページ20
風をきって進んでいく。
初めて見る景色に目を奪われている余裕は今の翡翠には無かった。
一刻も早く天馬に会いたい。
木々の間を抜けると、そこはとある家の前だった。2匹はピアスになって私の耳に戻った。
「鸕宮家……天馬さんの…家……。」
「おい…。」
誰かに肩を掴まれて、ぐいっと振り向かされた。
「何で……ここにいる？」
「会いに来たよ……天馬さん。」
そこに居たのは天馬だった。
翡翠を見て驚きを隠せない天馬を、翡翠は抱きしめた。
「ありがとう。…いつも、会いに来てくれて。……だから今日は…私から会いに来た。」
天馬はふっと笑った。
「……そうかよ。頑張ったな、翡翠。」
天馬は翡翠の頭を撫でた。その手つきは優しいくて、温かかった。
「ふふっ…でしょ？……あ、狼娘って呼ばないんだ。」
「んん？そんなに気に入ってんのか？まぁ…また呼んでやるよ。」
「そっか。」
「取り敢えず来い。」
天馬は翡翠を連れて家に入った。自分の部屋まで行くと翡翠に聞いた。
「どうやってあの部屋から出たんだよ。」
「んー…分からないけど……結界が解けたの。」
「解けた？あれは
翡翠は首をかしげた。
「理由はわかんねぇが…あそこから出られて良かったじゃねぇか。」
天馬の言葉に翡翠は頷いた。
翡翠は窓に近づくと、外を眺めながら呟いた。
「…外ってこんなにも綺麗だったんだね。」
「本当は俺が出してやるつもりだったのによぉ…まさか狼娘が自分から出てくるなんて思っても見なかったぜ？んん？」
「驚いた？」
「まぁな。」
天馬は目を伏せて笑った。
そういうとこは昔から変わらねぇな
そんな言葉を飲み込んで。
「外を見れば思い出せる気がしたのにな……。だめだったみたい。」
翡翠の言葉は夕暮れの密色の光の中に溶けて消えた。
翡翠は微笑んだ。
ラッキーアイテム
オムライス
今日のあの人
ろくろのためにとカレーを勉強する紅緒様
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天命龍(プロフ) - コメントありがとうございます！はい、ありがとうございますー！！作者、感激！受験頑張りまする☆ (2018年5月11日 23時) (
レス) id: fc4de454cd (このIDを非表示/違反報告)
クリナ(プロフ) - 家紋かっけー。スゲー上手いッス。受験頑張ってください。 (2018年5月11日 22時) (レス) id: 190285f25c (このIDを非表示/違反報告)
天命龍(プロフ) - コメントありがとうございます！前作見ていてくださっていたのですね！これからも頑張ります(^-^)/ (2018年4月28日 23時) (レス) id: fc4de454cd (このIDを非表示/違反報告)
クリナ(プロフ) - 前の作品も見てました。これからも頑張ってください。 (2018年4月28日 17時) (レス) id: 190285f25c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天命龍 | 作成日時：2018年4月28日 0時
