三話 ページ3
窓から光が差し出す朝。
重たい体をゆっくりと起こし目を擦る。
昨日の夜分かったことは、"浅瀬の洞窟"そして"氷の部屋"というところにグレイシアに進化する鍵がある…とのこと。
「ポケモントレーナーってのも楽じゃないなぁ。」
肩を落としマップに目をやる。
"お前は病弱で役たたずだ。"
"足引っ張るくらいなら、お前なんていらねぇよ!!"
"A…お母さんもうこの世界には居られないの…これからも、お父さんと
一緒に頑張ってね…?"
「…………っ!」
思い出したくない過去が、フラッシュバッグとして、僕の脳裏を横切る。
(や…めて。やめて…。思い出したくないんだ!!!消えろ、消えろ。こんな記憶…今すぐ…)
「っ…はぁ…はぁ…」
頭を抱え崩れ落ちる様に座る。
やっと…解放されて、僕は一人旅が出来るんだ…。
何にも縛られないで旅が出来るんだ…
なのにっ…
「あーあ…ダメだこりゃ…」
顔が青ざめていく。
だんだん胸が…心臓が苦しくなっていく…。
「はやく、イーブイに恩を返さないとな。」
僕のタイムリミットももうすぐみたいだし…。
クスッと笑って気持ちよく寝ているイーブイの頭をソッと撫でる。
「こんな僕がトレーナーでごめんね、イーブイ。」
そんなか細い声は
「あれ?お前Aじゃん!!!」
と笑いながら近づいてきた一人の少年によってかき消された…。
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桜にゃん♪ - この小説好きです!頑張って下さい!(`・ω・´) (2020年5月19日 20時) (レス) id: 1c21c55e5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:皐 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/maycry
作成日時:2016年5月2日 20時