33day ページ33
ふわっと辺りに良い香りが舞った。
あたしが好きな香りのそれは、足を止めるのに十分だった。
「…何?」
一応、みたいな態度で聞いてみるけど本当は何で追いかけてきたのか知りたかったのかも。
『ごめんね』
色んな意味が込められてるのか理由は言わない。
別にまっけんが謝ることは何一つないのに。
「…謝ることないでしょ」
『でも、傷つけちゃったのは確かだし』
いい人だね。
あたしが醜く見えてくる。
「じゃあ…もういい?帰るね」
『まだ、』
今度はクルリと回転させられ、あたしは彼の顔を見ることになった。
とても真剣な…何かを伝えようとしているような。
いつも思う。
彼の目はいい意味でも悪い意味でも魅力的で、怖い。
見つめられてもバサバサとものを言える人はよっぽど強い人だ。
『出会ったばかりで…文化の違う君には軽く見えるかもしれないけど。いや、もう思われてるかもしれないんだけど』
人はおろか鳥や虫さえも入ってこない路地。
彼の声だけが脳内に届く。
『Aがジェジと話してると嫌なんだ。すぐ側から離れてしまうのが嫌なんだ。僕は友達が居るようでいて、皆僕の表面しか見てくれない』
…誰もいない。
そういう意味だったか。
居るように見えても一人だった。
独りだった。
『離れないで…側にいてって言ったら、Aは離れちゃうのかな』
「…どういう意味?」
『僕は気づいたらいつも君の髪を目で追ってたんだ』
髪を一束掬うと、そっと唇が寄せられた。
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maya(プロフ) - 英語…間違いだらけ…… (2022年7月31日 17時) (レス) id: 4e98d705d0 (このIDを非表示/違反報告)
カジャリア(プロフ) - さくらさん» 夜遅くても朝早くてもいつでもwelcomeです。そうですね〜…私もその後を書くか迷ってます… (2018年1月24日 7時) (レス) id: 8e6c7311c0 (このIDを非表示/違反報告)
カジャリア(プロフ) - 光さん» 妄想力が強ければ何でもできます← (2018年1月24日 7時) (レス) id: 8e6c7311c0 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - こんばんは(*^^*) はじめまして。 夜遅くにいきなりすみません...。 物語一気に読んじゃいました。 物語完結していますが...。 その後の2人が気になります。 (2018年1月24日 2時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
光(プロフ) - 妄想をここまで綺麗に簡潔に文にできるのすごいです! (2018年1月23日 23時) (レス) id: 6dcd1e62c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カジャリア | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kajya1734
作成日時:2018年1月8日 16時