ハルカ【mackenyu】

15day ページ15

「じゃ、あたし帰るね！また明日」



無理にでも馴染ませようとしてくれてるのかもしれない。
あたしだって馴染みたいし、ここの人からしたら珍しいって理由で歓迎してくれるはず。



言葉が分からないのはとてもとても分厚い壁で。
それは一人で越えないといけない壁。



もちろんまっけんゆうは居てほしい。
でもあたしが近くにいて女子を敵に回すのならあたしは身を守る方を選ぶ。



平和に、温厚に暮らしたいだけ。



『一人は、寂しいよ…』


「…え？」


『寂しいよ、嫌なんだ。一人』


「たくさん人が居るじゃん。すれ違う人全員話しかけてくるじゃん」



教室でだってあんなに話して笑ってたじゃん。
なのに、今の顔は何？



『誰も居ないよ…』



力無く扉に寄りかかった姿が不覚にもカッコいいと思った。
この世のものとは思えないほど絵になった。



独り、じゃなく。
一人が嫌なんだね。



確かにあなたは、独りではないかもしれないね。
いつだって周りに人が寄ってくる。



誰も居ない。



その意味を、あたしは本当の意味で分かるだろうか。



分かりたいと、この時初めて思ったのかもしれない。

16day→←14day

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す