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15:I'm back. ページ16

「…!お、おい大丈夫か…?」
目を開いて1番に見える立派な眉毛。心配そうに見つめる彼は先程まで夢に出てきた相手と酷似している。
「よかった…今水持ってきてやるからな」
私の様態が大丈夫と分かれば安堵し、急いで水を取りに行くアーサーさん。
…変な夢だったな。アーサーさんによく似たイギリスさん。そしてあの綺麗な目をした子供…。夢にしてはすごく出来上がった世界。今まで見ていた夢で一番はっきりと覚えていた。

「あ…アーサーさ…」
襖の開く音がし、水を取りに行ったアーサーさんかと思いきや。そこには水の入ったコップを持った、少し眉を顰めて眼鏡越しにこちらを見つめるアルフレッドの姿だった。
「アーサーのが良かったのかい?」
頬を膨らませながらぶっきらぼうに水を突き出す。受け取れば子供みたいな彼に思わず笑う。
「いえ、水をとりに行くと言っていたので帰ってくるのかと…ありがとうございます。」
「き、君ねぇ…!アーサーのスコーンを食べるなんて本当命知らずでビックリしたんだぞ!?」
笑われて少し頬を赤くしながら心配そうにそういう。
すいません…とまた笑ってしまえば再び頬を膨らませる。
……この彼の目。やっぱりあの子にそっくりだなぁ…

「…夢を見ました。すごく、不思議な夢です…。」
なんとなく、彼に伝えなければいけない気がした。気が付けば勝手に口が開き、言葉を紡ぐ。
「アーサーさんと顔が同じ人で、その人と小さな子供が出てきました…すごく綺麗な草花に囲まれていて、凄く怪しまれましたが…」
目を軽く閉じると蘇る夢の景色。アルフレッドは大人しく話を聞いてくれているのか相槌すら打つこともなかった。
「夢の終わりに、子供が言ったんですよ。またきて、まってる…って。夢なのに、約束しちゃいました」
本当に変ですよね、とへらりと笑う。
アルフレッドは何も言わずに私の目を見つめる。
「…本当に変な夢だね、アーサーのスコーンを食べておかしくなったのかい?」
「…否定出来ないのが悔しいです。」
苦い顔をすればアルフレッドはわしゃわしゃと私の頭を乱暴に撫でる。…髪が乱れた。
「桜も起きたし、そろそろ帰る準備でもするぞ!君も少し手伝ってくれないかい?」
腕を伸ばしながら私に問いかける。もしかすると私が原因で遅くなったのかもしれない。
申し訳なさでいっぱいになった私は彼らの手伝いをしようと立ち上がった。


(夢の話で彼が一瞬、懐かしそうな顔をしたのは気のせいだったのだろうか…?)

16:Axis country 1→←14:Dream.



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限界米領(プロフ) - 華氷さん» コメントありがとうございます!日常的な会話などが好きなので過激にならないようにしてますのでそう言っていただけるとすごく嬉しいです!今後もほっこりするようなお話になるように頑張っていきます! (2019年10月18日 0時) (レス) id: f4d846ffd6 (このIDを非表示/違反報告)
華氷(プロフ) - すごく面白くて可愛らしい物語ですね!とても大好きです!更新楽しみに待っております!頑張って下さい!! (2019年10月17日 11時) (レス) id: 73a83246d3 (このIDを非表示/違反報告)
限界米領(プロフ) - スコ―ンさん» コメントありがとうございます!面白いと思ってくださってとても光栄です!拙い文章ではございますが、今後も更新ペースを落とさないように頑張ります! (2019年10月14日 1時) (レス) id: f4d846ffd6 (このIDを非表示/違反報告)
スコ―ン(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしてます!(*´▽`*) (2019年10月13日 21時) (レス) id: 92f83285a3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:限界米領 | 作成日時:2019年10月9日 0時

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