11:Horror. ページ12
暗い暗い部屋の中。居間は広々としていて寛ぎやすいのにテレビの前に集まる私達。
理由は単純で、アルフレッドが日本の心霊映像系が観たいと言っていたのだ。
「ぎゃー！！」
Nooo！と叫ぶ自称HERO。一人で一番うるさい彼は毛布を被り、菊さんに抱きついていた。
「これのどこが怖いんだ？明らかにこれは偽物だし本物はもっとこう」
「お前もう少し楽しんで観ること出来ないの？」
アーサーさんは映像に批判していてそれを聞いているフランシスさんはそんなアーサーさんに文句を言う…ハッキリ言うとカオスである。
それにしてもやはり怖いものは怖いな…今なんか和室での映像が流れているから余計だ。
人の家だからこんなこと言うのも良くないけれど、今いる場所は和の家。もしかすると…という思考にもなってしまうだろう。
「あれ！あそこにいるぎゃー！！」
ただ、彼は怖がり過ぎなのは確かである。
そうこうしている間に時計の針が次の日を指そうとしている手前。
流石に皆眠気がきたのか、映像を見終わる頃には欠伸が自然に出てしまっていた。
私も眠くなってきたし、寝よう…。確か寝室は……
「あ…桜…」
くい、と後ろから裾を引かれる。振り向けば未だに毛布を被っているアルフレッド。
「どうしました？」
「じ、実は…俺、こ、怖くて…」
私は思わず目を見開く。彼は人を巻き込んでまでHEROだと名乗っていたのだ。そんな彼が先程の映像で怖くて私に縋りついている。なんともおかしな状況だ。
「そ、それで、一人で眠れなくて…一緒に寝てくれないかい……？」
…彼は何を言っているのだろうか。年頃の男と成人過ぎた女が一緒に眠るなんて本当におかしなことだ。
常識的に考えると、同じ場所で異性と眠るなんて良からぬことが起こるに決まっているのだが。
ただ、見るからに彼は完全怯えている。それに以前、危ない所を助けたのは彼なのだ。悪いことをするようには思えない。
…でもやっぱり私側からすると顔の良い男性と寝るだなんて心臓に悪い。うるささと子供のような言動でなんとかなっているが彼は黙ると本当に顔が良すぎるのが目立つ。そんな彼と一緒に眠れるだろうか？いや、眠れないだろう。
「あー…本田さん達にお願いしてみては？あの人達なら」
きっと一緒に寝てくれる、と言う前に掴まれる腕。あ、これは嫌な予感が…
「もうみんな行っちゃったし桜しかいないから一緒に眠るんだぞ！」
なんて横暴な…
私はそのまま彼に引きずられていった。
12:Good night...?→←10:Bath time.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 44人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
限界米領(プロフ) - 華氷さん» コメントありがとうございます！日常的な会話などが好きなので過激にならないようにしてますのでそう言っていただけるとすごく嬉しいです！今後もほっこりするようなお話になるように頑張っていきます！ (2019年10月18日 0時) (
レス) id: f4d846ffd6 (このIDを非表示/違反報告)
華氷(プロフ) - すごく面白くて可愛らしい物語ですね！とても大好きです！更新楽しみに待っております！頑張って下さい！！ (2019年10月17日 11時) (レス) id: 73a83246d3 (このIDを非表示/違反報告)
限界米領(プロフ) - スコ―ンさん» コメントありがとうございます！面白いと思ってくださってとても光栄です！拙い文章ではございますが、今後も更新ペースを落とさないように頑張ります！ (2019年10月14日 1時) (レス) id: f4d846ffd6 (このIDを非表示/違反報告)
スコ―ン(プロフ) - 面白いです！更新楽しみにしてます！(*´▽｀*) (2019年10月13日 21時) (レス) id: 92f83285a3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：限界米領 | 作成日時：2019年10月9日 0時
