6話 ページ7
ここまでたどり着くまでだいぶ時間をかけてしまったけど、こうして私は普通科からヒーロー科への編入を果たした。
これから始まるのが、私が最高のヒーローになるための物語。
・
「先に荷物を置きにいけ」と言う相澤先生の指示に従い、自分の部屋に荷物を置いた。
ここに来るまで誰にも会わなかったが、先生以外まだ誰も来ていないのだろうか。
皆集合時間ギリギリに来るのかな、なんて思いながら、昨日ぶりの寮を見回しながら共同スペースへ向かう。
「ああ、終わったか」
相澤先生は私に気づき、「こっちへ来い」と私を招く。
「もう出てきていいぞー」
今度は遠くへ声を飛ばしたと思えば、色んなところからぞろぞろと人が出てくる。
私の前まで来た。
妙な気持ち悪さを覚えた。
「今年からヒーロー科に編入した、愛敬Aだ。去年まで普通科にいたから見かけたことがある者もいるだろうが、今日からはクラスメイトとして仲良くしてやってくれ。じゃあ俺は帰る」
「くれぐれも下手な真似をして俺の仕事を増やすなよ」と、言い残して相澤先生は去っていった。
相変わらず皆は黙ったままひと言も喋らない。
私なんか失敗してる?
もしかして私のターンだと思って皆待機してる?
「あの」
「せーの!」
私が口を開いたところで、遮られた。
「「よろしくお願いします!!」」
一斉に皆が頭を下げた。
私が驚いて声も出せずにいると、バラバラと上がっていったみんなの顔に笑顔が見られた。
「びっくりしたー?!」
「え、あ……」
状況が飲み込めない私に「あはは!言わなくてもわかるくらい驚いてるー!!」と笑っている、ピンク色の女の子。
確かこの子は、芦戸三奈ちゃん。
「今朝相澤先生から愛敬ちゃんが来るの聞いて、みんなでなにか出来ないかなって考えたの!!」
さっきまでの静寂が嘘かのように皆もザワザワと話している。
私は相変わらず声が出なかった。
「よろしくね!愛敬ちゃん!」
握手を求められたその手を握り返す。
すると、芦戸ちゃんは固まってしまった。
それに気づいた皆はさっきとは別の意味でザワザワし始める。
「やべー芦戸が動かなくなった!!」
そう言って芦戸ちゃんを指指すのは、黄色い髪の男の子。
上鳴電気くん。
私は恐る恐る、手を離す。
……やってしまった。
緊張と驚きのあまり、個性が暴走してしまった。
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兎斗(プロフ) - この作品とても面白いです！続き楽しみにしています！ (2021年6月6日 1時) (
レス) id: d97bb948a4 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - あるむんさん» わざわざほんとにありがとうございます！めちゃくちゃ活力になります！これからもがんばります！！ (2020年6月4日 10時) (レス) id: ffef2d7169 (このIDを非表示/違反報告)
あるむん(プロフ) - さくらさん» お話はとても面白くて更新を楽しみに待っていますので！不快と言うよりは少し心配(？)になってコメさせて貰いました！！星とお気に入りしておきま〜す！ (2020年6月4日 0時) (レス) id: 2802bdf122 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - あるむんさん» 大丈夫かどうかはわからないです、、ただあくまで主人公の個性の名前として使わせてもらってるので、これから先話を進める上でもそのような意味ではでてこないです！もし不快に思われる方がいるならまた別で考えます。コメントありがとうございます！ (2020年6月4日 0時) (レス) id: ffef2d7169 (このIDを非表示/違反報告)
あるむん(プロフ) - ラブドール、主に男性がアレを楽しむ為に作られた人形を意味しますが大丈夫ですか？ (2020年6月4日 0時) (レス) id: 2802bdf122 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら | 作成日時：2020年5月21日 20時
