ヒーローとヴィラン ページ31
「…なぁ死柄木。今、個性で溢れたこの世界で私達
がいなくなったら、どうなるんだろうな。」
夜風が心地よく頬を撫でていく。
もう、戦意なんて無かった。
「どういう意味だ？」
「“ヒーロー”と“ヴィラン”という因果関係がこの世界
からなくなったら、本当に平和になれるのか？」
「……さあな。」
私は柵に身体を預け、ただ夜風を感じていた。
死柄木も同じように、隣に座る。
「……俺のこと、警戒しないのか？」
「何を今更。さっきまで阿呆らしく理想論をほざき
まくってたくせに。捕まえる気も失せたよ。」
「『No.2ヒーローの愛娘』が何言ってんだか。」
「それを言うなら『ヴィラン連合の頭』もだろ。」
夜空がだんだん明るくなっていく。
また、1日が始まる。
「……俺、結局何したかったんだろうな。」
「知るか、お前が攫ってったんだろうが。」
“ヒーロー”と“ヴィラン”。
本来なら敵対するべき相手。
オールマイトさんや消太に言ったら殴られそうだ。
「……まあ、お前と話せてよかったよ。」
「なんだよ急に。」
「別に。…でも、改めて自分の気持ちを考えること
ができたよ。ありがとな、死柄木。」
そう言って笑う。
こんな風に清々しい気持ちで笑えたのは久しぶりな
気がする。
「……お前馬鹿だよな。」
「お互い様だ。」
2人して光に染まった空の下で笑いあった。
「お前のこと見てると、案外ヴィランも悪い奴じゃ
ないんだなって思うよ。」
「お？仲間になる気になったか？」
「安心しろ、私にはヒーロー一択しかねぇから。」
「だろうな。」
立ち上がって朝日を眺める。
気がつけば、隣に死柄木はいなかった。
こうして私達は不思議な夜を過ごしたのだった。
ー
「轟！探したんだぞ、どこに行ってたんだ！！」
「悪い。焦凍達の土産を探してたら強盗やらがいて
な。ついでにパトロールしてきたんだ。」
ホテルに着くと先輩ヒーローが怒った顔で迫ってく
るもんだから、笑いそうになった。
「そういうことならちゃんと報告しろよ！」
「悪かったよ。ほら、帰ろう。」
今は早く帰りたい。
何故かよくわからないけど、あの無愛想な顔を見た
くなった。
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水蓮月夜(プロフ) - 座布団さん» いえいえ！ご意見いただけるだけありがたいです！ありがとうございます。ミリオはいい奴だ…！ (2020年4月7日 18時) (
レス) id: 46a31dc65f (このIDを非表示/違反報告)
座布団 - オチ決まってたんですね(￣▽￣;)すいません！ (2020年4月6日 16時) (レス) id: 5f3a5b3cfe (このIDを非表示/違反報告)
座布団 - 凄くこの作品大好きです！！オチ希望は通形ミリオです！ (2020年4月6日 16時) (レス) id: 5f3a5b3cfe (このIDを非表示/違反報告)
水蓮月夜(プロフ) - ミナさん» ご意見ありがとうございます！先日のアニメでホークス出てきましたよね。カッコよかった〜！年齢も近いし、良いかもしれませんねd(^_^o) (2020年4月2日 9時) (レス) id: 46a31dc65f (このIDを非表示/違反報告)
ミナ(プロフ) - ホークスがいいです！ (2020年4月2日 9時) (レス) id: 1305b21a2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水蓮月夜 | 作成日時：2019年4月26日 18時
