短編集プラス花言葉編

椿 ページ41

「まぁ！ゴミ、誰か捨ててくれたの？ありがとうね！」

「だれがやったんだろーな。」
「愛美ちゃんかな？やってくれたの！」

「え！ち、違うよ！」

「またまたー！愛美ちゃんなんでしょ！」
「そうなの？ありがとうね愛美ちゃん！」


「黒版綺麗になってるね！ありがとうね！」


「このお花誰かが持って来てくれたのかな？」

全部全部“愛美ちゃん”って。
人気者はいいよね。
いつでもいい思いできるんだから。

こーゆー時って地味は辛い。
何で全部全部愛美ちゃんなの。
他の子かもしれないじゃん。

勝手に決めつけて。愛美ちゃん、本当は自分の株が上がって喜んでるくせに。

ほんと性格悪い奴。
、、、、、なんて。気づいてもらえないからってひがんじゃだめだよね。





「あれ？先生が持って来た花瓶割れてる！」
「ほんとだ！どーすんの？」
「はーい。どうしたの？」
「あ、せんせー。花瓶が割れてるの。」
「ほんとだね。割っちゃった子誰かな？怒らないから言ってごらん？」

ここで手を上げてもクラスメイトにいじめられるんだ。手を挙げるバカがいるの？

「、、、、、ねぇ。これ割った子見ちゃったの。」「え！愛美ちゃん誰？」

、、、、、やめなよ。愛美ちゃんが言ったらみんなその意見になるんだから。

「葵ちゃんだよね？」

最悪

「うわー、椿ないわー。」
「葵ちゃんさいてー。」

「えっと、葵ちゃん？わざとじゃないんだよね？はーいみんな！静かにして！葵ちゃんもわざとじゃないんだから。許して上げてね？」

、、、、、なにその言い方。担任がもっとしっかりしてよ。こんなんだからダメなんだよ。うちの担任なんて使えないじゃない。

罰として１週間教室掃除。五年生らしい考えだよ。

「あー、だっる！最悪！まじで愛美ゆるさねぇ！」
1人って結構きつい。

「ねぇ、なにやって、、、、、あー。教室掃除だったね。」
「小山君じゃんか。どーしたの？」
「、、、、、椿さんさ、割ってないよね？」

今更かよ。遅いよ

「うん。だから？」

「ゴミも黒板もお花も椿さんがやってくれたんでしょ？おれ、知ってたよ。あの時言えなかったけど、、、、、」

「ふーん。ま、終わった事だしもーいいよ。」

「椿さんさ名前通りいい人だね。」

「は？どーゆーことですかー。」

「知らない？椿の花言葉ってね、、、、、控えめな優しさなんだよ。これやったの私です！って言わずに毎日やってくれてたでしょ？
椿さん。ありがとね？」

ーー私の頬に一粒の雫が流れた。

シクラメン〜赤〜葛西様リク→←弟切草

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