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あくまでも朗らかに続ける彼は異質だ。リボーンや雲雀さんとはまた違う我の通し方。その在り方や形状は見えないのに、考えと言動に芯は通っている。
……苦手かも。
紙とペンを持ちAさんの隣へ座った巳緑さんが、始めから起きたことを箇条書きで記していく。Aさんはと言えば下を向いていて表情が見えない。
雲雀さんは巳緑さんの記す内容に細かなことを言い加えている。獄寺君も噂について諸説ある部分を話しているが、正直俺はやることがない。
話を整理しておくくらいしかないのである。
それにしても、巳緑さんは何者なんだろう。雲雀さんにとやかく言われても折れることの無い精神を諦められている、だけでは説明がつかない不可解な部分が多々ある。
｢雨の炎ってあれだろう？鎮静。眠気に関係するものなのかい？｣
｢ああ、使い方によっては相手を眠らせることができる、が、自分の炎でそうなるなんて聞いたことねえな｣
首を傾げる獄寺君へ、へえ、なんて自分から聞いておきながら興味のなさそうに返している巳緑さん。
｢もうさあ、面倒だからAをあそこにもう一度連れていけばいいんじゃないかい？
僕も恭弥くんもあの十字路には行ってみたけど、何にも無かったんだよ。僕らじゃあ噂の発動には何か足りないみたいだ。
だったら発生のトリガーがきちんと引かれた本人を持っていくのは妥当な手段じゃないかと僕は思うけど｣
埒が明かないと思ったらしくやれやれなんて肩を竦めている。合理的ではあると思う、が、当のAさんは青い顔をしている。
｢あの、やっぱり別の案を｣
｢十代目の言う通りだ。次行って平気な保証もねえだろ｣
｢なら次に行って大丈夫じゃない論拠もないだろう？僕はハッキリしないのが苦手なんだ。黒か白か上か下かきっぱり付けようじゃないか｣
半ば強引にAさんの腕を取った巳緑さんが止める間もなく部屋を出て行く。
雲雀さんは苦々しそうな顔で行くよ、と俺たちに声をかけると歩き出す。
｢……俺、雲雀さんが行かせるとは思ってませんでした｣
｢アレは話を聞かない男だから。僕の見ていないところでやられるより、監督下に置いた方がマシだ。放っておけば何をやらかすかわからない｣
やっぱり巳緑さんを特別視しているような気がする。
｢アイツ十代目の意見をガン無視しやがった……｣
｢獄寺君、まあまあ｣
静かに怒りを燃やしている獄寺君を宥めて玄関まで歩くと、前方にはAさんと巳緑さんが並んでいた。
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さとう(プロフ) - コメント失礼します。とっても面白くて何回も読み返してしまいます！夢主ちゃんと雲雀さんの歪な関係がとてもグッときます。影ながらいつも応援しております。更新無理せず頑張ってください！ (2019年6月18日 23時) (
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作者名：銀竹 | 作成日時：2019年5月28日 20時
