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力は入れられていないもののトンファーを持ったその手は充分私の動きを阻害する物足りえる。首を向けることもできずに固まったままになる。
｢御執心だな雲雀｣
｢何か勘違いしているようだけど、僕は道玄との関係を悪化させたくないだけだよ｣
｢恭弥さん寝たんじゃ｣
｢この状況で寝こける程僕も呑気じゃないんでね｣
私の首を開放するも沢田さん？とリボーンさんから私を離すように前に立つ恭弥さん。数年前まで私と並ぶくらいだった身長はいつの間にか差が顕著になっている。
恭弥さんの後ろから顔を覗かせると引っ込んでいろ、と押し退けられてしまう。
｢いくら赤ん坊と草食動物とは言え僕らの家の問題には関係ないよ｣
｢で、でも結婚って俺たちボンゴレにも一応関係あるんじゃ｣
｢道玄は上宰之Aを遠ざけたいだけだ。だったら他にも手立てはある。わかったらさっさと僕の前から失せて｣
獣が敵を威嚇するみたいに姿勢を低くした恭弥さんにヒイ、と小さく悲鳴を上げた沢田さんとは打って変わって全く動じず私の目を見ているリボーンさん。
拮抗する空気を感じ恭弥さんの制服の裾を引っ張る。
｢話、聞くだけでもダメですか｣
情けないほどに目が泳いだがこの際何でもいい。とりあえずこの微妙に気まずい空気を打破できてさえしまえば良い。
私の言葉を聴いた恭弥さんがはあ、と深くため息を着きながら臨戦態勢を解く。
｢君の甘さには常々腹が立つ｣
｢話聞くくらい良いじゃないですか｣
｢済し崩しに押し切られたら君は断れないのに、よくも最終的な皺寄せの来る僕に口答えができるね｣
ぐうの音も出ない正論に黙る。
｢まあ、いいや。手短にして｣
諦めたように壁にもたれ掛かり腕を組む。一応話は聞いてくれるらしい。
｢すみません、なんか、別に良い人じゃないんですけど悪い人でもないので｣
｢君が次余計な口を利いたら強制的に婚姻まで持って行くから｣
再度黙する。本当のことじゃないか、そう言えば私を引きずってでも本家へ婚姻了承の旨を伝えに行きそうなので口を噤んで恭弥さんの横に立つ。
沢田さんが困惑しながら私と恭弥さんを交互に見ている。
｢提案がある｣
そう切り出したリボーンさんは口の端をニヤっと上げて私と恭弥さんにあることを提示した。それはどうにも私には気に食わないのだが、恭弥さんが納得してしまったので諦めるとする。
かくして、私の人権無視強行話は幕を上げる事となった。
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さとう(プロフ) - コメント失礼します。とっても面白くて何回も読み返してしまいます！夢主ちゃんと雲雀さんの歪な関係がとてもグッときます。影ながらいつも応援しております。更新無理せず頑張ってください！ (2019年6月18日 23時) (
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作者名：銀竹 | 作成日時：2019年5月28日 20時
