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音を立てないようにドアを閉め、ふう、と一息着くと目の前には栗色の髪の男の子が居た。はて、この子は確か恭弥さんが昔話していた問題児じゃ……？
雲雀恭弥のいつもいる部屋から出てきた私を見てワタワタと慌てている目の前の彼。
｢恭弥さんなら今しがた寝ましたよ｣
｢えっじゃあ、日を改めて……と言うか、あなたは？｣
未だオロオロと私を見る。大方雲雀恭弥の関係者＝気性が荒いと思っているんだろう。間違ってはいないも思うが、私にそれは適用されない。
どう答えれば誤解がないかと思案していると、ひとつのものが目に入る。
｢ボンゴレ……？｣
彼の首から下げられたその指輪は先程恭弥さんの手に付けたものとデザインが似ている訳では無いが、凡そ彼が付けるべきものでも無いような気がする。
ゴツさで言えば似ていると言えなくもない。
思わずぱっと出た言葉にしまったと口を塞ぐも、しっかりと聞き取った彼が焦ったように私を見ている。
兎に角この部屋の前で騒ぐのはやばい。そう思ったのは一緒なのか歩き出した私に彼が着いてくる。指輪は服の下へと入れてしまったようだ。
＊
二人で疲弊しながらも廊下で止まる。突然起きた恭弥さんが後ろから追ってくる可能性も捨てきれなかったので精神的に疲れた。はあ、とため息が重なる。
｢えーと、雲雀さんの部下の方ですか……？｣
｢部下って｣
思わず笑った私に不思議そうな顔をする。いや、確かに草壁たちなんかは見てると部下って感じだけど、そんな呼び方でいいんだろうか。
｢関係性が難しくって。家柄のせいで少し交流があるんですよ｣
｢家柄？｣
｢知りませんか？雲雀家って結構この辺りだと名家で有名ですけれど｣
全く知らないという様子だ。ほらあの、やたらと敷地の広い日本家屋の、と言えばピンと来たようで驚いている。
｢あそこ雲雀さんの家だったんですか｣
うわあ、だの、凄いや、だの素直に零している彼は私がじっと見ていることに気付くと恥ずかしそうに頭をかいた。
｢あの、それでボンゴレってさっき言ってましたけど｣
｢違うんなら良いんです。恭弥さんがさっき話してたのでつい、何となく｣
たぶん、違うことは無いだろうが言い難いことなら言わなくても支障ない。と、思っていた。
だがいつの間に彼の後ろにいたのか子供が顔を出す。十歳より少し下くらいに見えるが表情は妙に大人びていて、昔の恭弥さんを思い出す。
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さとう(プロフ) - コメント失礼します。とっても面白くて何回も読み返してしまいます！夢主ちゃんと雲雀さんの歪な関係がとてもグッときます。影ながらいつも応援しております。更新無理せず頑張ってください！ (2019年6月18日 23時) (
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作者名：銀竹 | 作成日時：2019年5月28日 20時
