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｢こんなところで何を？｣
｢UMAについてだな｣
ゆ、ゆーま？何だって？
UMAって確か大変オカルティックな話ではなかろうか。彼のような人間からそんな言葉が飛び出てきたことに驚きながらも話の続きを促すと、私には到底理解し得ない言葉が飛び出る飛び出る。
恭弥さんが聞いたら一笑に付しそうである。
楽しそうに話す獄寺さんを止めることもできずに話しの内容へ若干の疑問を残しつつも、木陰の涼しさに感けて居座る。数分間話し込んだ獄寺さんがやがて謝罪をしてマシンガントークを緩め、あ、と言う言葉と共に何かを思い出したのか私を見る。
｢確かお前ん家の近くじゃねえ？｣
｢何がですか？｣
｢噂｣
その噂話を鮮明に覚えているらしい。目の前の蟻の行列がぞろぞろと地面を必死に這っているのを眺めて彼は語る。
｢お前の家の近く、ほら、まっすぐ国道に出ると薬局があるだろ？あの辺のカーブミラーがやたらある十字路。あそこによ、真っ白い子供が出るんだと。
何が怖いのか？って、話はまだこれからだろ。お前のその結論を急ぐところ……ああいや、何でもねえ。
それでだな、十字路を横切る時に稀にもう一つの世界へ入り込む人間がいる。らしい。
その世界にはカーブミラーひとつひとつに青白い光が見えて、十字路の真ん中に立った人間と取り囲むみたいに子供が各道に居る。
そうして子供四人が真ん中に立っている人間へ一斉に歩き始める。これに捕まると体が消えちまう｣
どうだ？おもしろい噂だろ。
得意気に語り終えた獄寺さんがふふん、と私の顔を見る。おもしろい話かどうかはわからないが、あまり気分の良い話ではない。と言うか、ただの怪談じゃないか。夏の間にきゃあきゃあと子供が騒ぎ立て、一種の度胸試しに使われそうな話だ。
まったく興味をそそられませんでした、などと言うわけにもいかないのでなんとか返す言葉を捜す。
｢それって帰還する手立てはあるんですか？｣
良い事聞いてくるじゃねえか、と言いたげな表情を浮かべてまたも楽しそうに口を開く。どうやらこういう非現実的なオカルト話が好きらしい。何故私はこんなことに巻き込まれているのか。
｢四人の子供の内、一人だけが本物だ｣
｢本物？｣
｢だから三人は幻覚みてえなもんなんだと。すり抜けるらしいぜ｣
すり抜ける。なんだそれは。いよいよ以って子供騙しもいいとことな話になっている。
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さとう(プロフ) - コメント失礼します。とっても面白くて何回も読み返してしまいます！夢主ちゃんと雲雀さんの歪な関係がとてもグッときます。影ながらいつも応援しております。更新無理せず頑張ってください！ (2019年6月18日 23時) (
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作者名：銀竹 | 作成日時：2019年5月28日 20時
