姉弟 03 ページ3
「姉貴ー、辞書貸してー」
「う……寒い」
「もー、ちゃんと持ってきなよー？」
高校2年生になった二人は、
ものすごく男らしく成長した。
私より小さかった二人。
私の身長なんかとっくに越えている。
「姉ちゃん寒くない？」
「士郎は本当寒がりなんだから
ほら、びしっとしなさいっ」
「ぶはっ、姉貴まじおかん！」
「早く二年の教室戻りなっ」
だけど二人は、おばちゃんとおじちゃんを全く忘れないで、
ずっと思っている。
「ねえね、今の子たちAちゃんの弟？」
「うん、一つ年下だけど仲いいよ」
「いーなー。私の弟なんかさー……」
私も、忘れていない。
二人の、温もりを。
.
「うわーでも本当寒いわ」
帰ろうと靴を履いたはいいものの、
空からは雪が降ってくる。
生憎私は折りたたみ傘を持っているから帰れるんですけど。
「あれ、姉ちゃん今帰り？」
後ろから穏やかな声で、
だけど顔は真っ青に、鞄を肩から下げた士郎がやってきた。
「うん、アツヤは？ 士郎だけ？」
「アツヤは先生にプリント出しに行ってる。
僕傘ないから姉ちゃんいれて」
やっぱり雪にはあたりたくないご様子。
「そっかー、じゃあ帰ろ」
「うん」
士郎を傘にいれて二人で外に出る。
「……さ、ぶ……」
「ちゃんと体鍛えなよ？
それと士郎身長高いから傘持って」
私が士郎に「はい」と傘を渡すと、
士郎は渋々とポッケから手を出して傘を持った。
「ぅおーい、俺もいれろーっ」
「わっ」
「ぅっ」
アツヤが後ろから私たちの肩に手をまわし、
傘の中には三人の人間が入っている状態に。
「あ、でも姉貴は」
「姉ちゃんは女の子だから」
「「真ん中」」
「……あはは、ハモってるし！」
繋がりなんか、そういうことより
私たちは、
笑顔で過ごしています。
ーーそう、思ってた。
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 356人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「俺が＿＿＿＿思春期男子、なんて 当然だろう？」- 黒裂 真命 -
「サッカーバカだって＿＿＿＿思春期男子、なんです。」- 円堂 守 -
「ちょっとちょっとお＿＿＿＿思春期男子、なんですけどー」- 西野空 宵一 -もっと見る
「イナズマイレブン」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しょうこ - アツヤ〜〜 (2016年9月25日 0時) (
レス) id: 791fe62814 (このIDを非表示/違反報告)
玉英(ｴｼﾗ) - アツヤが生きている記念に！イナズマが戻ってきましたね。再来！と思いましたが公式アツヤもなかなか黒そうで。貴方様は予言者ですか！？ (2016年8月31日 22時) (レス) id: 4e0387791c (このIDを非表示/違反報告)
佐倉 照：Re(プロフ) - モモさん» 思春期男子シリーズは必ずこういうかわいそうな子が出てきますね笑 申し訳ない本当に(( このシリーズの士郎もありますよ〜、あ、でもあっちの士郎もかわいそうだった！笑 コメントありがとうございます＾＾ (2015年9月13日 13時) (レス) id: bb3e171dee (このIDを非表示/違反報告)
モモ - アツヤ、良かったね！でも、士郎がかわいそう…！佐倉さん！士郎の分も作ってあげて下さい(^_^) (2015年9月13日 3時) (レス) id: 0593e0ea3b (このIDを非表示/違反報告)
佐倉 照：Re(プロフ) - みゃーさん» あはは、そうかそうか それはよかった＾＾僕も双子を推します……が二つ差らしいですあり得ない(( 全部読んでくれたんですか、お疲れ様でした（笑）これからもお願いします、ありがとうございました＾＾ (2014年10月26日 21時) (レス) id: bb3e171dee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
