女神の伝説2 ページ8
部下たちの溜まり場になっている場所では、さまざまな会話が飛び交う。
主に幹部の方々の話し。
だが滅多なことは言えない。普通は。
「ったく！
あのイカれ姉弟たちの拷問の後は掃除が大変なんだよ！」
「人でしたって言われても信じられないくらいのあり様だもんな」
「あの後普通に焼肉とか行くからなあの人たち」
イカれてる。
口々にそう言う奴らを横目に見る。
「なぁ、お前もそう思うだろ？山口」
「思わないわ」
突然振られて混ざらされた話を否定の一言で打ち切る。
「A様は優しいのよ」
「はっ！！
どこがだよ
あのイカれ姉弟に優しさなんてもんはカケラもねぇよ」
「姉弟で一緒に寝てるらしいぜ」
「風呂も入るとか」
「キスしてるの見た奴もいる」
ニタニタと嫌な笑みを浮かべる奴らに軽蔑の目を向ける。
こんなやりとりは昔からある。
だがご本人たちは全く気にしていない。
私も梵天に入社した頃はあの姉弟の距離感に困惑したし、ドン引きしていた。
元々蘭様の部下に付きたかったが、A様の部下になった。
A様を愛おしそうに見つめる蘭様と竜胆様。
幹部の皆様も例外なくそうで、それが気に入らなくてわざとA様の足を引っ張っていた。
だがそんな時、度が過ぎたせいで敵側に捕らえられてしまった。
情報を吐け。と拷問にかけられて泣き叫んだ。
言えば帰してやる。と言うが、梵天に帰ったところで死ぬのだ。
全てを諦めて言おうとした。
が、建物内に銃声が響いて部屋の扉が爆破された。
「誰だ！！！」
『んー？
私の可愛い部下を返してもらいたくてね
一応気に入ってるのよ、その子猫』
銃を片手にクスッと笑ったA様の顔や服には返り血が付いていて、先陣切って乗り込んできた事が見て取れた。
こんな私のために。今裏切ろうとした、私のために。
部下を向かわせて、私もろとも皆殺しにしてもいいところを。幹部がわざわざ。
『その子猫ね、頑張り屋さんなのよ
器用で頭もいい
毎日毎日、私の足を引っ張ろうと頑張っているの
それも、自分だとバレず、自分に害がないようにね』
可愛いでしょ？とにっこり笑ったA様と目が合う。
全てバレていた事が恥ずかしくて、気まずくて目を逸らしてしまった。
そんな失礼を働いたんだ。
きっと梵天に帰っても、ここと同じ目に合う。
ポロッと涙がひとつ流れた。
床に落ちると同時に鳴り響く銃声と、倒れる私を拷問していた男。
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轟琴葉(プロフ) - 凄く面白くて小説の書き方や表現がとっても上手くて二、三度読み返してしまいました！これからも活動頑張ってください！ (3月24日 14時) (
レス) id: 527b239b5f (このIDを非表示/違反報告)
喜成 - 読み終わってしまったが。次何を読んだらいい?これ以上の作品ありゅ? (2023年4月21日 20時) (レス) @page41 id: 330e82b250 (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - めいだぅ！さん» コメントありがとうございます！！嬉しい限りです😭 めいだぅ様にとって記憶に残る作品になれた事を誇りに思います✨ ありがとうございました🥰 ぜひ今後ともよろしくお願いいたします☺️ (2023年2月8日 16時) (レス) id: 5cb8755336 (このIDを非表示/違反報告)
めいだぅ！(プロフ) - 完結おめでとうございますうぅ😭ずっとずっと1番大好きな作品で追いかけさせて貰ってました😭この小説で号泣したり、笑ったり、ときめいたり、ほんとに素晴らしすぎる作品でした😭主さんの今後のご活躍楽しみにしてます(^ ̥_ ̫ _ ̥^) (2023年2月7日 23時) (レス) @page41 id: c10d69082a (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - YUMiさん» コメントありがとうございます！！ そう言ってもらえると嬉しいです😭😭 沼にハマってください仲間です😂 こちらこそありがとうございます♡ ぜひまたよろしくお願いします✨✨ (2023年2月2日 20時) (レス) id: 5cb8755336 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉兎
| 作成日時：2022年9月28日 20時
