限界なんだよ！！ 2 ページ17
寝転がる蘭の上に重なり、スマホを見ながら言ったAの言葉に竜胆の中で何かが切れた。
「あ？
メシくらい自分で考えろよ
大体2ヶ月ぶりに帰ってきた弟に対してテメェのメシの心配かよ
お前ら2人が行きたくねぇつーから俺が行ってきてやったんだろが
こんな奴らがなんで俺の…っ！！」
姉と兄なんだよ。と言おうとした言葉は１発の銃声によって遮られる。
普段なら絶対言うはずのないのに、勢いのまま心にもない言葉が口から出ていた。
背にしている壁には、自分から数ミリ離れた位置に弾丸がめり込んでいる。
目の前には煙の出る銃口をこちらに向けている姉。
その目は鋭く、ヤバい。と竜胆は本能で感じ取った。
その姉がゆっくりと蘭の上から足を床に下ろしてこちらに向かってくる。
ダラリと下ろした手には銃。
「っ…あ、姉ちゃん」
目の前まできたAに、ごめん。と言おうとした竜胆だが、今度はAが自身の頭を撫でたことで遮られた。
『よしよし』
ニッコリと笑って頭を撫でる姉にキュッと下唇を噛み締めて、今し方自分が言おうとした言葉を後悔する。
言わなくてよかった。
やり方は乱暴すぎるが、自分にソレを言わせなかった姉に心の底から感謝した。
「っ…ごめん姉ちゃん」
女性にしては背の高い方の姉だが、自分と比べれば低い位置にある肩に顔を埋めてその細い腰を抱き締める。
『おつかれ竜胆
心配してたけど、帰ってくるってわかってたよ
だって私の弟だもの』
よしよし。と何度も自分の頭を撫でる優しい手。
昔からこの手に何度も甘えてきた。
どれだけ自分が守ろうとしても、いつの間にか兄に良いところを取られ、挙句の果てには姉に手を引かれているが
この手がなによりも好きだ。
『竜胆はいい子だね〜
頑張り屋さんで、賢くて
こんなに可愛い弟を持って姉ちゃんは世界一幸せだわ』
後頭部から順番に背中を流れる髪を撫で、そのまま丸めた背中までをなん往復もする手が、でも。と言う言葉と共に竜胆の顔を持ち上げてネクタイを掴んだ。
「え」
『おかえりに対して睨み返せとは教えた覚えはないなぁ
更に姉に対してテメェ呼ばわりも
誰に教えてもらったのかな？りんちゃん？』
ニッコリと笑っているが先ほどとは違い、確実に怒っているその様子に竜胆は任務に行っていた2ヶ月間よりも命の危機を感じていた。
「た、ただいま戻りマシタ…お、お姉サマ……」
『おかえり♡
私の可愛い竜胆』
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轟琴葉(プロフ) - 凄く面白くて小説の書き方や表現がとっても上手くて二、三度読み返してしまいました！これからも活動頑張ってください！ (3月24日 14時) (
レス) id: 527b239b5f (このIDを非表示/違反報告)
喜成 - 読み終わってしまったが。次何を読んだらいい?これ以上の作品ありゅ? (2023年4月21日 20時) (レス) @page41 id: 330e82b250 (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - めいだぅ！さん» コメントありがとうございます！！嬉しい限りです😭 めいだぅ様にとって記憶に残る作品になれた事を誇りに思います✨ ありがとうございました🥰 ぜひ今後ともよろしくお願いいたします☺️ (2023年2月8日 16時) (レス) id: 5cb8755336 (このIDを非表示/違反報告)
めいだぅ！(プロフ) - 完結おめでとうございますうぅ😭ずっとずっと1番大好きな作品で追いかけさせて貰ってました😭この小説で号泣したり、笑ったり、ときめいたり、ほんとに素晴らしすぎる作品でした😭主さんの今後のご活躍楽しみにしてます(^ ̥_ ̫ _ ̥^) (2023年2月7日 23時) (レス) @page41 id: c10d69082a (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - YUMiさん» コメントありがとうございます！！ そう言ってもらえると嬉しいです😭😭 沼にハマってください仲間です😂 こちらこそありがとうございます♡ ぜひまたよろしくお願いします✨✨ (2023年2月2日 20時) (レス) id: 5cb8755336 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉兎
| 作成日時：2022年9月28日 20時
