女神の伝説9 ページ15
「っ……」
ゆっくりと体制を戻した九井様は口を切ったのか、血が流れている。
『私は嫌いなものが二つある
一つはマイキーに害をなす者
二つ目は女をナメ腐ってる男だ
今度こんなやり方で契約取ってみろ
殺すぞ』
そう言うと、九井様の体に誓約書を叩きつけてアジトの中に入っていった。
蘭様と竜胆様も立ち尽くす九井様の横を通り過ぎて中に入っていく。
「……嫌いなものが二つ？
もっとあるだろ……」
ボソッと呟いた九井様は、誓約書の中身を確認して目を見開いた。
「九井様
血が…」
「ん？あぁ、構わねぇ
それより、これどうやった？」
ハンカチを差し出したが受け取ってはもらえず、代わりに誓約書をペラペラと揺らした。
「Aさんから俺に、部下を装って相手の家族を梵天の管轄のレストランに招待しろと指示されました」
「人質か…なるほど
反社は反社らしくってことか……」
ご苦労だった。と言い残して九井様もアジトの中に入る。
その背中が見えなくなるまでタダさんと頭を下げていた。
「そういえばタダさん
肉離れで帰ったんじゃなかったんですか？」
「肉離れなどしてないが？
そもそもお前、ここが肉離れくらいで帰れるような職場か？」
確かに言われてみればそうだ。
きっと片足が吹っ飛んでも、もう片方があるだろ。と言われると思う。
「お前もあの姉弟の適当な言葉に騙されないようになれよ」
「タダさんは嘘と本当がわかるんですか？」
当たり前だろ。と答えたタダさんをジッと見上げる。
「でもこの前A様が昼食べ損ねたからケーキ買ってきてって言ってたアレ、あの日A様昼食べてますよ
蘭様と竜胆様と高級フレンチに」
「は？
あの日そのケーキがないと午後から何もしたくないっておっしゃって、片道1時間かけて買いに行って向こうで2時間並んだんだぞ！！」
「はい
その4時間の間、私A様に紅茶入れて肩揉みしてました」
なんならネイルも。と言えば、ショックを隠しきれない顔をするタダさん。
「フレンチ食べた後でケーキ入るのかと蘭様が聞かれましたが、入らないと答えてましたよ」
「最初からサボるつもりで……」
なんとも言えない空気が流れる私たちの沈黙を破ったのはタダさんのケータイの着信音。
A様からの時にだけ鳴る音が響いた。
「またケーキですかね」
「勘弁してくれ」
反社になって日の浅い梵天の話
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轟琴葉(プロフ) - 凄く面白くて小説の書き方や表現がとっても上手くて二、三度読み返してしまいました！これからも活動頑張ってください！ (3月24日 14時) (
レス) id: 527b239b5f (このIDを非表示/違反報告)
喜成 - 読み終わってしまったが。次何を読んだらいい?これ以上の作品ありゅ? (2023年4月21日 20時) (レス) @page41 id: 330e82b250 (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - めいだぅ！さん» コメントありがとうございます！！嬉しい限りです😭 めいだぅ様にとって記憶に残る作品になれた事を誇りに思います✨ ありがとうございました🥰 ぜひ今後ともよろしくお願いいたします☺️ (2023年2月8日 16時) (レス) id: 5cb8755336 (このIDを非表示/違反報告)
めいだぅ！(プロフ) - 完結おめでとうございますうぅ😭ずっとずっと1番大好きな作品で追いかけさせて貰ってました😭この小説で号泣したり、笑ったり、ときめいたり、ほんとに素晴らしすぎる作品でした😭主さんの今後のご活躍楽しみにしてます(^ ̥_ ̫ _ ̥^) (2023年2月7日 23時) (レス) @page41 id: c10d69082a (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - YUMiさん» コメントありがとうございます！！ そう言ってもらえると嬉しいです😭😭 沼にハマってください仲間です😂 こちらこそありがとうございます♡ ぜひまたよろしくお願いします✨✨ (2023年2月2日 20時) (レス) id: 5cb8755336 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉兎
| 作成日時：2022年9月28日 20時
