光よりも速く風に舞え【ハヤテ・インメルマン】

第三章 ページ16

貴方side



フ「あの子等！」


フレイアの指差した先には今朝フレイアに携帯を押し売りした三人の子供がいた


「あ！携帯ドロボー！」


その子達もこちらに気付いたようで「ドロボードロボー」と叫んでいる


カ「ドロボー？」


フ「あ、いえ、これは……」


不審な顔で振り向いたカナメさんにフレイアは慌てて身振り手振りで説明しようとする


ハ「違うだろ！あれはお前らが勝手に……」


ハヤテが言い返そうとすると


「キャァァァァァ！」


と、悲鳴があがり店からワルキューレのマキナさんレイナさん、そして何かが飛び出してきた


マ「あ〜！私のディナーが！」


レ「グルメにゃんこ……」


マリ「あんたはいつもいつも……あ！こら待ちなさい！」


店員さんや捕まえようとしたチヤックさんから逃げるように何かがこちらに向かって走ってきた


ウミネコだ。それも魚をくわえている


片方の目が傷つき隻眼となっている


隻眼のウミネコは逃走経路にいる私達に臆しもせず突っ込んできてそのまま……


バチィィィィと大きな音を響かせながら


カフ貴「いったぁぁぁ！？」


尻尾でハヤテの頬を強打した

しりもちをついたハヤテを嘲笑うかのようにウミネコは海へ飛び込み逃げていった


ハ「あのやろう……ヘックシ！」


立ち上がりかけたハヤテは大きなクシャミをしてまた座り込んだ


そのまま連続でクシャミをしている


今朝の時といい今も……まさか


貴「もしかして……ネコアレルギー？」


ハヤテは返事をしなかったが赤い鼻とクシャミが正解を示していた


その時


「邪魔だ」


ハヤテと私のいる場所に影がかかった


見上げるとアラド隊長と一緒にいた青年がこちらを見下ろしていた


マリ「メッサー！お帰りなさい！」


その時お店の人が手を振って声をかけた。その隣でマキナさんが「私のお魚ー！」と嘆いている


ハ「お帰りって……そっかルームメイト……」


ハヤテが納得しているとカナメさんが青年に声をかけた


カ「ちょうどよかった。一緒にご飯食べてかない？」


メ「いえ、自分はすませてきましたので」


カナメさんの誘いを素っ気なく断るとメッサーさんは店の中に入っていった


カ「そう、また今度ね」


カナメさんは少し残念そうにメッサーさんの背中にそう言った


ハ「……ヘックシ！ヘックシ！」


貴「はい。大丈夫？」


再びクシャミが始まったハヤテに私はティッシュを渡した

第三章→←第三章【旋風ドッグファイト】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す