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十五話 ページ20











悠「A?起きてる?」


『……ゆ、う』


私がか細く返事をする


心配したのかすごい勢いで部屋に入ってきた


悠「大丈夫?!A!!」


『大丈夫…………ねぇ悠、ちょっと話、いいかな』


悠「なに?してほしいことある?なんでもするで?」


『ううん……あのね……』







"私、もうダメみたい。今日で最期なの"













悠「……え…?」


私がそう告げると目を見開いたまま、ぎゅっと、私の手を握った


悠「嘘……嘘やんな?!俺は信じひんで!!」


『ごめんなさい……嘘じゃないの……私の生気ももうないし、喋るのも呼吸するのもやっと……昨日私が教えてくれたの。明日で最期だ、って…』


悠「そ、んな……」


そこまで言って、目からポロポロと涙を流した


悠「いや……いやや!っ、Aがおらへん世界なんていやや……!やったら俺も死ぬ!もうっ、なんでなん……っAっ…」


『泣か、ないで、私も悲しい。……悠は精一杯生きて……私がいるから…』


私は必死に、



私が死ぬと、私になったドッペルゲンガー代わりに生きる、と伝えた


悠「いくらAでも、……俺はこのAやないと無理や!」


『私も同じ……だけど、…思いどおりには、いかないの……本当にごめんなさい』


私がそう言うとぎゅっと私を抱きしめた


悠「……なにもしてあげられんくてごめんな」


『私の方がごめんだよ……?』


すると悠はどこかに連絡し始めた


悠「っ、うらさんッ……っ、うらさっ…」


うらたさん、か……


《さ、坂田……?》


悠「うらさんっ、Aがっ」


《もう何も言わなくていい。今から行く》


来なくてもいいのに


私、


死んだら


どうなるのかな?



死体とか残る?



もしかしたら……


消えるかも



電子のように。



……


悠「A頑張ってっ……!!あと少しだけ……!!」


『もう……ダメみたい……ねぇ、悠…?聞いて?』


悠「なんや……?!」


『…悠と出逢えて良かった……最期に悠といれて……私、悠のこと誰よりも……世界一、







愛してる、よ』


そのとき



やっと涙が出た


止まらない涙


悠「俺も……俺もや!!Aと出逢えて良かった…!俺も愛してる…!」


そう言って



残りわずな命の中



悠の唇が私の唇とかさなった



5秒くらいで離れる



『……っ、悠、今までありがとう…』


悠「Aっ……」


『向こうでも、生まれ変わっても悠を好きでいるよ』

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柊木アミ(プロフ) - りお 坂田家さん» 大丈夫ですかぁあ (2018年4月6日 17時) (レス) id: b1ef680daf (このIDを非表示/違反報告)
柊木アミ(プロフ) - きなこ@餅2/13さん» ありがとうございます…… (2018年4月6日 17時) (レス) id: b1ef680daf (このIDを非表示/違反報告)
りお 坂田家 - う、ううう……(´;ω;`) (2018年4月6日 17時) (レス) id: 3613f8ab94 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ@餅2/13 - 更新ありがとうごさいます。楽しみにしてました。 (2018年3月4日 11時) (レス) id: 35f8ab9167 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柊#歌い手ファン | 作成日時:2017年6月9日 21時

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