【歌い手】二人の王子と世界を持った一人のお姫様【うら*さか】

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96「A〜」



『あ、お姉ちゃん！』



96「はぁ、お姉ちゃんって呼ぶのも良いけどこれでもうちは女王なんやから気をつけてや？あと
　 探したわ〜」



『いいじゃない！お姉ちゃんなんだもの！』



お姉ちゃん、とは




そのままのとおり、私の大好きなお姉ちゃん



でも、国の女王なんだ。




だから、私が15歳くらいのときからもうお姉ちゃんと一緒に遊んでない



お姉ちゃんは18のときに、女王になったのだから。




お母さんは、いや、元女王だったお母様は、45歳という若い年で病気で亡くなっちゃったの




悲しかった



お父様は、王様は、お母様より6歳違う



でも、お父様もたまに体調を崩すときがある




今度はお姉ちゃんが死んじゃったりしないのか



毎日毎日怖い。




私はこの国の王女、自分で言うのもあれだけど、一応お姫様なのよ



将来、この国を、この世界を継いでいる



96「A？どうしたんや？」



相変わらずのなまったしゃべり方。



『なんでもないよ！ちょっと考えてたの…』



96「そっか…それでね、明日あるパーティーなんだけどうち出てみたくって！だから一緒に
　 出よ？」



『そ、そんな…！ダメよ！！お姉ちゃんは女王様だから常に命を狙われているわ！
　私も一緒にでたいけど…』




96「うちも出てみたいんだよなぁ。今までに数回しかでてないわりに、Aは毎回出
　 てるんやし…」



『私は…！……私は…お姉ちゃんが危ない目にあわないためにかわりに出ているの…誰も
　お姉ちゃんの妹だとは知らないし、誰も私が世界を継いでいるなんて知らないから…』



そう



他の国の人たちは、96女王に妹がいる、というのは確信付けられているが、
それが、この国の、王女、私だとは知らない





だから、わたしは代わりに出ているの





96「……我慢しなくていいんやで？パーティー、行きたくなかったら行かなくていいし…」



『…ううん…パーティーは楽しいもの！美味しい料理とかカッコいい人とか見れるし！』



いやまぁ、私はただカッコいいって思うだけで恋したことは一度も無いけど(笑)



96「Aらしい。それじゃ、もう10時だし、明日朝早くからパーティーだからもう
　 寝なさい」



『分かった！じゃあねお姉ちゃん！』




明日のパーティー、勿論私が代わりに出席する




お父様は女王様の為だといい、私をモノのように扱う




でも笑顔を絶やさないの

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