隠し事 ページ10
姫国side
清光「今日検非違使が出なかったら帰るよ」
朝、そう言われた
姫国「そう、ですよね・・・」
長谷部「寂しそうな顔をするな」
姫国「うん・・・」
伽羅「・・・ハァ。会えなくなる訳じゃないだろう」
姫国「そうだけど、寂しいじゃん」
獅子王「ま、いっぱい思い出作っとけよ」
姫国「はい」
山姥切「・・・加州。少し良いか」
清光「なにー？」
山姥切「外で話そう」
そう言って外に出ていく山姥切と清光さん
何話すんだろ
長谷部「取り敢えず、父様に挨拶しに行くぞ」
姫国「うん。僕も行く」
長谷部「国重殿」
国重「おぉ坊主らか」
長谷部「俺たちは今日発ちます」
国重「そうか。なぁ、一ついいか？」
長谷部「何でしょう」
国重「お前たち、俺が打った刀だろ」
姫国「え・・・」
清光side
清光「で、話って？わざわざこんな山の中でとか、告白？」
山姥切「違う茶化すな。お前、何か隠してるだろ」
えぇー。ド直球で聞いてくるじゃん。
清光「隠してなんかないよ」
山姥切「春告鳥にも、言えないことなんだろ」
だって、修行に行くって言ったら止められるだろうし、もし検非違使が出たら、俺を修行に出すために絶対に俺を庇うじゃん
矛盾してるけど、春は絶対にするんだよな
清光「だから、隠してないって」
山姥切「写しの俺がこんなこと言うのはおこがましいとわかっている。だが、赤の他人の俺には話せるんじゃないか？」
その言い方にカッとなった
清光「赤の他人なんかじゃない！」
山姥切は驚いたように目を見開いている
清光「・・・覚えてる？あんたが顕現した日のこと」
山姥切「あ、あぁ」
山姥切が顕現したのは、本丸が出来た翌日
その日、主は前田、燭台切、山姥切、鯰尾、乱を一斉に顕現してぶっ倒れた
清光「あれからもう一年くらい経つわけ。最初はずっと部隊が一緒だったよね」
山姥切「そうだな。お前は、頼りになる隊長だった」
清光「そう。一緒にやってきた大切な仲間なんだよ、山姥切は。そんな大切な仲間を、赤の他人だなんて思わないよ。てゆーか、山姥切は俺のこと、赤の他人だと思ってたわけ？」
山姥切「そんなわけないだろう！」
清光「そう。俺も同じ気持ち。だからさ、赤の他人だなんて、言わないでよ。一緒にやってきた仲間に、赤の他人って言われるの、結構ツラい・・・」
山姥切「す、すまない。俺はそんなつもりで言ったんじゃ・・・」
清光「ふっ。わかってるよ」
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作者名：兼さんの耳飾り | 作者ホームページ：http://yuzunoki
作成日時：2023年10月23日 16時
