沖田総司の脇差参 (ページ44)

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僕の知らない歴史ページ44

姫国side
夕餉の前、兄さんから、主さんの部屋へ行くよう言われた
姫国「主さん。入るよー」
主「おう」
姫国「話って何？」
主「黙ってこれ、読んで」
姫国「うん」
主さんから渡されたのは、この間蔵から運び出した歴史書
当分読めないかと思っていたやつだ
渡されたのは三冊
言われた通り、黙って読み始める

天正十年
織田信長、明智光秀の謀反に合うも、豊臣秀吉が駆けつけ、天下統一を果たす。後に、何者かによって暗殺される
一説として、豊臣秀吉ではないかと言われている

慶長五年
関ヶ原の戦い、西軍の勝利。東軍とは大きな戦力差をつけた
豊臣秀頼死後、徳川秀忠が大阪並び、江戸を治める

明治二年
戊辰戦争勃発。土方歳三、沖田総司、戦死

衝撃的すぎて、声が出なかった
こんな、歴史が改変されたような世界があるのだろうか
それに、戊辰戦争には、総司さんはいなかった
行きたくても、行けなかった戦いのはずなのに
何故、名前が書かれているのだろう
主「•••くずし字で、俺はほとんど読めなかった。長谷部から、おおよその内容は聞いた。これは、俺たちが守っている歴史じゃない」
姫国「うん。こんなの、違う。戊辰戦争。これが僕たちにとっての史実だったら、どんなに良かったか」
主「死ぬことに変わりはないのに？」
姫国「総司さん、行軍について行きたくても、行けなかったから。あの人にとっては、これで良かったのかも」
主「この本を所持していた審神者は、この歴史が本当の歴史だと教わってきたんだろうな。だから、隠した。もし、この世界に出陣できるようになったら、誰が行くのか」
姫国「僕たちだね。この本を隠した人は、僕たち、ううん。この人の刀剣男士を守ったんだ」