別れ ページ35
過去の明石side
すぐ出てくことになる言うた割には、姫国は長くここに留まった
もう数十年はおるんやないやろか
姫国「明石さん。また冬が来ますね」
明石「せやなぁ」
姫国「今年が、ここで過ごす、最後の冬になるかもしれませんね」
明石「というと?」
姫国「さっき、主が新しい脇差抱えて帰ってきました。きっと、また質に入れられますよ、僕。こんな古臭い刀より、新しい刀の方が、主も良いんでしょうね」
明石「人間ってのは、すぐ目移りしますからなぁ」
姫国「今度は山賊に襲われないといいんですけど」
明石「そんなこと滅多にあらへんわ」
姫国「あったから心配しちゃうんですよ」
明石「ま、元気に過ごしてな」
わしわしと姫国の頭を撫でる
姫国「明石さんも」
姫国が言った通り、この冬が、この屋敷で過ごす、最後の冬になった
春になって暖かくなった屋敷は、いつもより静かに感じた
明石side
ま、あの子は忘れとるやろうけど
蛍丸「話しかけにいかなくても良いの?」
明石「んー。まぁあの子忘れとるやろし」
蛍丸「ふーん。覚えてるかもしれないよ」
明石「いいや。覚えとったら話しかけに来てるやろし」
愛染「ま、気が向いたら話しかけてみろよ」
明石「はいはい」
と、言われとったけど、中々話しかけるタイミング見つけられず、今日に至る
姫国が加州に抱えられて帰ってきた。
蛍丸「姫国、大丈夫かな?」
明石「あの子は頑丈や。そんなすぐに折れへん」
ほんで、また思い出話しましょや
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作者名:兼さんの耳飾り | 作者ホームページ:http://yuzunoki
作成日時:2023年6月2日 20時