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見たことある ページ34

明石side
あの姫国言う刀、どっかで見たことあるなぁ
蛍丸「くーにーゆーきー。何?姫国が気になるの?」
明石「んー。ほんのちょっとなぁ。どっかで見た気が・・・」
愛染「どーせ国行の事だから覚え違いだろ」
明石「ひどっ」
ほんま、どっかで見たことあるんよ


「だって、どうせすぐここを出てくことになるでしょうし」


明石「・・・あ。思い出した」
蛍丸「何を?」
明石「あの姫国って言う刀。一時期同じ主の元にいはったんですわ」
蛍丸「国行が覚えてても、姫国が覚えてるかはわからないよ。姫国、前に折れる寸前の状態で帰ってきて、記憶を無くしたんだ。それで、前の記憶が戻ってきたって感じで」
明石「というと?」
愛染「あいつ、最初は新撰組の記憶しかなかったけど、折れる寸前の状態で帰ってきて、手入れ終わって、そんときに新撰組の記憶がなくなって、織田や黒田にいたときの記憶が戻ったってこと」
明石「・・・難儀な子やな。あの子も」
愛染「ま、俺は昔の話出来て楽しーけど」




昔の明石side
主が脇差抱えて帰ってきはった
明石「また刀買ってきはったんです?使わんのに無駄な」
??「無駄なわけないですよ。必要だと思ったから、その人は僕を買ったんです」
明石「誰ですのん?」
??「僕は姫国。長谷部国重の打った刀で、その刀の付喪神です」
明石「何処から来はったんです?」
姫国「福岡藩」
明石「えらい遠いとこから来ましたなぁ」
姫国「長旅でしたよ。こっちに来るまでに、船ってのに乗ったり、・・・山賊に商人が襲われたり」
明石「そら災難でしたな」
姫国「そんで僕は山賊にぶん取られて、散々脅しに使われた挙げ句、また質に入れられ、流れ流れてここまで来ました」
明石「はぁ・・・」
姫国「あははっ。言葉失っちゃいますよね。わかりますよ。僕も説明してて凄いな僕って思いましたもん」
明るくからからと笑う刀
姫国「山賊にぶん取られたって、兄さんに会ったら何て言われるだろ。小夜には嫌な顔させちゃうかな」
一人思い出にふける刀
表情豊かな子や
明石「で、あの人に買われてここに来たってわけなんか」
姫国「そうです。この世の中って、打刀と脇差を帯刀して、武士の正装になるんですって」
明石「あー。ここには脇差はおらへんからなぁ」
姫国「へー」
明石「興味なさげですやん」
姫国「だって、どうせすぐここを出てくことになるでしょうし」
そう言って彼は、悲しげに笑った

別れ→←戻ってこない



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作者名:兼さんの耳飾り | 作者ホームページ:http://yuzunoki  
作成日時:2023年6月2日 20時

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