戻ってこない ページ33
清光side
安定「姫国、中々戻ってこないね」
清光「うん」
堀川「あ、加州くん、大和守くん」
和泉守「姫国は何処だ?」
安定「それが、残ってた敵を追いかけたきり、戻ってこなくて」
長曽祢「本当か?どっちだ」
清光「あっち。橋の方」
誰かが駆けてきたのが見えた
長曽祢「誰か来たぞ」
ここからじゃ、暗くて中々見えない
堀川「・・・来たのは、沖田さんです」
清光「そんな。姫国は・・・」
安定「春・・・」
今にも飛び出して橋の方に駆け出したい
けど、それをすれば、総司たちに見つかる
速く中に入ってよ、敵はいないからさ!
総司たちが中に入っていった
中が一気に騒がしくなる
清光「俺、春を探してくる!」
安定「僕も!」
新撰組の隊士が見えなくなると、すぐに屋根から降りて橋の方に走る
橋に着くと、春はすぐ見つかった
いじけたときの山姥切みたいな布饅頭になって丸まっていた
清光「春!」
姫国「かしゅ、僕・・・」
安定「凄い熱だよ」
姫国「うあっ」
頭を押さえる春
凄く苦しそうだ
長曽祢「安定!清光!」
清光「長曽祢さん。速く帰還しよう!春の様子が変だ」
堀川「怪我はなさそうだね。でも、凄い熱・・・」
和泉守「取り敢えずこれ掛けとけ」
和泉守が羽織を渡す
清光「うん」
長曽祢「よし。帰還するぞ」
主「あ、おかえりー。清光、カンストおめで」
清光「主、俺より春を見て!」
安定「凄い熱なんだ!」
主「わかった任せろ。だからそんな不安そうな顔すんなって」
堀川「春のこと、お願いします」
主「おう。・・・長谷部!」
長谷部「何でしょう」
ぐったりしている春を見るなり、血相を変える長谷部
主「姫くん運んで。取り敢えず手入れ部屋まで」
長谷部「わかりました!」
俺も凄い不安だけど、長谷部はもっと不安だろうな
ぐったりしている春を見ると、嫌でも関ヶ原を思い出す
長曽祢「・・・やはり、あいつは春告鳥なのか?」
安定「あ・・・」
清光「うん。そうだよ。・・・ごめん。長曽祢さんを悲しませたくなかったんだ。蜂須賀にあんな風に言われて、冷たくされて、顔馴染みの春にまで知らないような態度を取られたら、傷付くと思って・・・」
長曽祢「いや、良いんだ。それに、蜂須賀の態度は変わりようもないものだしな。気にしてはいないさ。それよりも、春告鳥は今まで記憶はあったのか?」
安定「うん。前に出陣したとき、春、折れる寸前の状態で帰ってきたんだ。それで、記憶がなくなったんだ」
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作者名:兼さんの耳飾り | 作者ホームページ:http://yuzunoki
作成日時:2023年6月2日 20時