織田信長の愛刀、不動行光 ページ24
姫国side
一期「久し振りだね。お前たち」
乱「いち兄っ！」
厚「いち兄だ！」
みんなが一期さんに駆け寄っていく
その中で一振り、駆け寄っていかない子がいた
姫国「行かなくて良いの？薬研」
薬研「あぁ。みんなのいち兄だからな」
姫国「そんな大人びた事言って〜。本当は誰よりも一期さんを心待ちにしてたくせに」
薬研「なっ！」
姫国「見てたらわかるよ。一期さんの話をするとき、誰よりも寂しそうな目をしてた」
薬研「・・・なんだよ」
姫国「え？」
薬研「側に行ったら、泣き出しそうなんだよ」
意外にも、薬研は涙目だった
姫国「・・・」
薬研「なんだよ」
姫国「いや、その」
？？「お前が泣くなんて珍しいからだよ。ひっく」
薬研、姫国「「不動！？」」
主「やっぱ姫くんたちの知り合い？この子の事話してたなーって思ってさ」
姫国「主さんが連れてきてくれたの？」
主「それ以外に誰がいんだよ」
姫国「不動ー！」
思わず不動に抱きつく
主「いや俺じゃないんかい！」
不動「久し振り〜姫国。さっき口うるさい長谷部には会ったよ〜」
姫国「兄さんのことそんな風に言わないでよー」
薬研「相変わらず不動は姫国にベッタリだな」
不動「薬研だってそうだっだろー」
薬研「何時のことだ？」
不動「織田にいたときだよ！」
仲良くなったと思ってたんだけどな・・・
ここに来てまた犬猿の仲に戻ったか
それに不動が甘酒を飲むなんて
ちょっと意外だ
不動「もういいですぅー。お前は一期一振にでも甘えてろ！お前は寂しくなくても、あっちは寂しいみたいだぞ」
ふと後ろを見ると一期さんが立っていた
姫国「さぁ不動。僕たちは向こうで昔話でもしようか。宗三さんも誘って」
不動「お、良いねぇー。お邪魔虫は退散するか」
不動と肩を組む
薬研「え、ちょ、待ってくれや。俺もそっちに」
姫国「あ、兄さーん、宗三さんも。一緒にお茶飲みましょー」
宗三「おやおや。薬研はいいんですか？」
不動「いいんだよー。彼奴には、いち兄がいるからなー」
僕たちは後ろを振り向き、グッと親指を立てた
二振りきりにしてあげたのだ
僕たちに感謝してよね、薬研
それから少しして涙目の薬研も加わり、信長さんとの思い出話に花を咲かせたのだった
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作者名：兼さんの耳飾り | 作者ホームページ：http://yuzunoki
作成日時：2023年6月2日 20時
