ep354 ページ7
辰馬の笑い声をBGMにしながら少し頭を回す。
このタイミングで電話が来たということは
「銀時とヅラも一緒？」
《あぁいるぜよ。なんか2人ともおまんのことメタクソ言っちょったけど！》
だよねだよね、そうだよね。
あの2人は自分達だって宜しく単独行動のくせして私がそれをやると謎の不機嫌モードを発動させる。昔からだ。
《まぁアイツらもぅっぷ…オロロロロ…おまんの考えてることはオロロ…わかっちょる。悪く思わんでオロロロロ》
「ん、なんて？？」
《だから…オロロロロロロ》
「……。」
さっきから嘔吐する音しか聞こえないんだわ。
てか人の耳元でゲロコンサートすな。
しばらくして一通りスッキリしたらしい辰馬は「そういえば…」と私に尋ねる。
《A、おまん今どこじゃ？》
「えーっと……」
言い淀みながら隣の団長の様子を窺う。
一見、興味のない素振りだがその実、彼の関心をこれでもかと言うほど肌で感じている現状。
烙陽のことを伏せておいてほしいのか、あるいはそれを明かして銀時達を誘き寄せたいのか。その真意は分からないけれど、それを単刀直入に尋ねることが賢明とも思えなかった。
それこそ団長はただの地雷原でしかないから。
どこを歩くか考えるよりそもそもそこへ踏み込まない方が遥かに安全なのだ。
でも銀時達と合流はしたいんだよなぁ、と悩んでいると案の定
「その電話誰から？あのサムライ？」
団長が本格的に興味を示し始めてしまう。
「違う違う。別の古い友人というか元同僚というか…」
曖昧に笑っておく。別に嘘はついてない。
やはりこっちから辰馬へ情報を伝えるのは難しそうだからあっちの情報を貰おう。
「そっちの状況は？」
どこにいるか、その問いに答えない私から何かを察したらしい。あの馬鹿でかい声量を抑えて、あっちの状況を説明してくれる。
そう、辰馬のこういうところがいいのだ。
察しが良く、訳を明かさずともこちらの需要を理解してきちんと満たしてくれる。
銀時やヅラ、晋助が相手ならこうはいかない。
あの3人反対に、あの手この手で絶対に事情を吐かせようとするから。
そんなことを考えながら話を聞いていれば、あちらの事情は大方理解できた。
そして話の着地点は望んでいた通りの一点に帰結する。
——今、烙陽に向かっちょる。
辰馬のその言葉を聞いた時、
それはまるで転がっていた球体がたった一点に収まるべくして収まったかのような感覚だった。
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ギラッフェ(プロフ) - 陽-hisa-さん» いつも楽しみにしてくださってありがとうございます。何よりもの励みになっています！今後とも楽しんでいただけると嬉しいです(^^) (9月2日 0時) (
レス) id: 7a3023c2c7 (このIDを非表示/違反報告)
陽-hisa- - お久しぶりです。攘夷とこんなに上手く絡ませている作品、やはり私的にはこの作品が一番です。一番好きです。これからも楽しみにしています。応援しています。 (8月31日 19時) (レス) id: cd440b7134 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - るぅさん» いつもありがとうございます！ベタ褒めしていただいて嬉しい限りです笑 今後ともよろしくお願いします！ (8月22日 9時) (レス) id: 1bbdb8d99e (このIDを非表示/違反報告)
るぅ - いつも読ませて頂いてます！大体どの作品も恋愛系の作品が多いのですが、占ツクで面白い作品に出会えると思ってなかったです笑コメント見させて頂きましたが、オチなしの結末を考えているとの事で個人的にホッとしました笑これからも応援してます！ (8月21日 21時) (レス) @page48 id: 0469468a88 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ひーさん» コメントありがとうございます！読み返してくださるのとても嬉しいです！今後ともよろしくお願いします！ (8月10日 9時) (レス) id: da4440489d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ギラッフェ
| 作成日時：2022年1月26日 0時
