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ep371 ページ24

もう腐れ縁とも言えるほど見慣れた袈裟達に取り囲まれる中、


「こないだまで俺から国を護らんとしていた連中が俺の隣で国から狙われてるなんざ、どういう風の吹き回しだ」


晋助が鼻で笑った。
口ではそう言いつつも、やけに愉しそうなのが隠せてない。


「何も変わっちゃいねぇよ、アレ片付けた後はお前の番だ」

「それまではその命せいぜい大切にしておくことだ。勿論、貴様に利用するだけの価値があればの話だが」


だが返って来た返事は感動の再会とは程遠く、取り付く島もない。


「オイ、コイツら一体何言ってやがんだ」

それに負けず劣らずのやたけたな問いを放り投げる晋助に辰馬が肩をすくめて答えた。


「要するに訳すとだな——まだ死ぬなダチ公ってことぜよ。
色々あったが今は全部忘れてまた仲良く——」


それ以上辰馬の言葉が続くことはなかった。



「誰がそんなことを言った!ヘボ通訳がッ!!」

「俺たちがあの馬鹿といつ仲良くした!?」


銀時とヅラ、両者からの顔面蹴りが炸裂し地面で揉みくちゃにされたから。

あの馬鹿呼ばわりされている晋助もなかなかの飛び火具合だけれど……




「今度ハ簡潔に言うカラしっかり伝えてクダサイ。ファッpi——デス!」

「高杉氏、要するに彼はこう言っています。えーっと……あなたとファッpi——したいと」

「そこだけ直訳すんな!!」


なんてことを言っているんだろうコイツらは。



「坂本氏チョットコッチ」

そう言って辰馬を手招いたヅラは、カァーッ…ペッ!っと顔面に唾を吐きつけた。

マジで汚ない、やめてくれ


「通訳など必要アリマセーン!痰でも吐キツケトイテクダサーイ!」

「じゃあアイツに直接痰吐きつけてくれない!?」


珍しくもっともなことを言っているはずの辰馬があれよあれよと不憫な目に遭っているのを眺めていれば——



「ははっ……」



敵に囲まれた戦場のど真ん中だというのに、懐かしさが勝って思わず笑いが漏れた。

それと同時に私の脳裏には懐かしい風景が舞い戻ってくる。

負けなんてちっとも怖くなくて、彼等となら国も松陽も取り戻せると信じて疑わなかった——あの頃の風景が……。





でも私の口角はすぐに力無く下がった。

だって結局私達は松陽を失った挙句、戦にも負けたのだから。

今でも覚えてる。戦いの末に残ったのは見知った顔の亡骸達と空っぽになった自分だけだった。



 

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ギラッフェ(プロフ) - 陽-hisa-さん» いつも楽しみにしてくださってありがとうございます。何よりもの励みになっています!今後とも楽しんでいただけると嬉しいです(^^) (9月2日 0時) (レス) id: 7a3023c2c7 (このIDを非表示/違反報告)
陽-hisa- - お久しぶりです。攘夷とこんなに上手く絡ませている作品、やはり私的にはこの作品が一番です。一番好きです。これからも楽しみにしています。応援しています。 (8月31日 19時) (レス) id: cd440b7134 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - るぅさん» いつもありがとうございます!ベタ褒めしていただいて嬉しい限りです笑 今後ともよろしくお願いします! (8月22日 9時) (レス) id: 1bbdb8d99e (このIDを非表示/違反報告)
るぅ - いつも読ませて頂いてます!大体どの作品も恋愛系の作品が多いのですが、占ツクで面白い作品に出会えると思ってなかったです笑コメント見させて頂きましたが、オチなしの結末を考えているとの事で個人的にホッとしました笑これからも応援してます! (8月21日 21時) (レス) @page48 id: 0469468a88 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ひーさん» コメントありがとうございます!読み返してくださるのとても嬉しいです!今後ともよろしくお願いします! (8月10日 9時) (レス) id: da4440489d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2022年1月26日 0時

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