ep365 ページ18
一通り続く辰馬の言い訳を聞き終えてからため息を一つ。
「まあ別にいいんだけどね」
《え?いいの?》
良い、というかどうでもいいの「いい」だ。
正直、こちらにとっても敵にとっても喜々はお荷物でしかない。対地球的に御輿に担いでおきたいだけの人形を敵が血眼で取り返しにくるとも思えない。
実際にいま敵の長は星海坊主にご執心中だ。
「気にするだけ無駄だから適当にあしらっておけばいいよ。座敷付きの個室に通す必要もないし」
《ぎくり……》
「……わざわざその個室を警備してあげる必要も、美味しそうな食事を配膳してあげる必要も、それを食べないからと言ってハートフルに励ましてあげる必要もないからね?」
《……。》
既にやったなこれは。
はぁ〜……辰馬。
一体君はどこまでお人好しなんだ。
「ともかく、快援隊は将軍よりも今頃そっちに向かってるだろう三凶星のメカニックな敵をどうにかする算段を立てて——」
《メ、メカ??なんじゃ?その敵はなんかギラギラテカテカしちょるのか?》
「それはメタリック!!!」
思わず反射でツッコミを入れたその瞬間、電話からザーーと雑音が入って辰馬の声が聞こえなくなる。
噂をすればなんとやら。
范堺が来たか……と考えているうちに
ツーーーツーーー
「切れた」
「いやいやいや『切れた……』じゃないだろッ!?なに今、メタリックな新兵器の話してたの?違うよね!?その味方の人大丈夫?オジサン不安しかねぇんだけど!?」
言葉通り不安感満載な副団長が私の肩を掴んで揺さぶりながら問う。
「いや、范堺がそっち向かうだろうから気をつけろって話をしてたんですけど……」
「どこでそんな話してたぁッ!?もしかして俺の耳がおかしい!?」
何故か荒ぶる副団長とは反対に「援軍を送った方がいいんじゃないか?」と落ち着いた様子で提案する星海坊主。
しかしその瞳の奥には若干引いちゃってる感を感知。
貴方に引く権利ありますかね…?とあのやりたい放題兄妹の顔がチラつく。
「まぁ快援隊は心配ないですよ。陸奥もいるので」
「……そうか」
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ギラッフェ(プロフ) - 陽-hisa-さん» いつも楽しみにしてくださってありがとうございます。何よりもの励みになっています!今後とも楽しんでいただけると嬉しいです(^^) (9月2日 0時) (レス) id: 7a3023c2c7 (このIDを非表示/違反報告)
陽-hisa- - お久しぶりです。攘夷とこんなに上手く絡ませている作品、やはり私的にはこの作品が一番です。一番好きです。これからも楽しみにしています。応援しています。 (8月31日 19時) (レス) id: cd440b7134 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - るぅさん» いつもありがとうございます!ベタ褒めしていただいて嬉しい限りです笑 今後ともよろしくお願いします! (8月22日 9時) (レス) id: 1bbdb8d99e (このIDを非表示/違反報告)
るぅ - いつも読ませて頂いてます!大体どの作品も恋愛系の作品が多いのですが、占ツクで面白い作品に出会えると思ってなかったです笑コメント見させて頂きましたが、オチなしの結末を考えているとの事で個人的にホッとしました笑これからも応援してます! (8月21日 21時) (レス) @page48 id: 0469468a88 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ひーさん» コメントありがとうございます!読み返してくださるのとても嬉しいです!今後ともよろしくお願いします! (8月10日 9時) (レス) id: da4440489d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2022年1月26日 0時