【銀魂】前職：攘夷四天王専属参謀 捌

ep364 ページ17

馬董の名前に思わず……というほど隠す気もなかったが、胸糞の悪さが思い切り顔に出ていたんだろう。


「おいおいおい、まさか自分で斬り込みに行こうってんじゃねぇよな？」

慌てた様子の副団長に問われる。

「まさか。そういうのは“アイツら”の仕事であって、私は参謀ですから」


そう答えてからふぅ、と一息ついて頭を切り替える。私がやるべきは腕っぷしじゃなくて頭を使うこと。
恐らくその三凶星の中で最も厄介なのは——。

私は携帯を取り出して辰馬へと電話を繋げた。


《おぉA、どうかしたか？》

「少しそっちが気になってね。何か異変は？」

《いや無いな！奇襲作戦が成功したところじゃ。ちょっとお荷物の将軍様抱えてるせいでめんどいけど！》


あー将軍ね。

へーー、将軍。



…………しょう、ぐ……ん？



「えーっと、それは新しく入手した兵器か何かの名前？」

額を流れる冷たい汗は気のせいということにして聞けば、肝心の電話相手は大爆笑。


《アハハハハッ！！何言っちょるA！？おまん長いこと地球におるのに将軍知らんとはいかんぜよガハハハハ》

「あははははーー冗談に決まってるじゃーん！この私が征夷大将軍を知らないわけないでしょー？アハハハハ！」


ひとしきり2人で笑い転げる。


星海坊主と副団長達が心底心配そうな目でこちらを見ている。



しばしの沈黙。






「え、リアル将軍？Mr.喜々？」

《そうじゃけど？》



あっけらかんとした辰馬の声に思わず額に手を当ててスゥーーっと息を吸いこむ。

こちらの沈黙に辰馬も何か察したのか、えらく饒舌に御託を並べ始める。


《あ、アレ言っちょらんかったっけぇ？？えーっとそうそう！途中で将軍の艦隊が攻めて来たから返り討ちにして人質にしたんじゃけど》

「えぇ聞いてないですねぇ」



　

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