ep362 ページ15
「大丈夫か？参謀」
「はぁっ、これの……どこがっ、大丈夫そうですかね！？」
敵の主力艦隊から逃げるため崖道を全力疾走する私達。
中でも先頭を切る星海坊主や第七師団と併走できるわけもない一般ピーポーの私は自分の脚に鞭を打ちつつ、やっとの思いで走っていた。
なのに……
「あの
わざわざ副団長が先頭から下がって隣にきたと思えば、そういうことか。
「えぇ、知恵を貸したいのは山々なんですが私の脚ではどうもあの先頭集団まで追いつける気がしなくてですね？
それはもう先頭にどんどん離されていく駅伝の選手さながらの心情ですよ。というか、年中デスクワークの運動不足人間にどう追いつけと！？先頭が来いや！！」
「うんうんそうだな。走りながらそんだけ喋れるなら大丈夫だな」
「大丈夫じゃないってば！」
鬼の形相で声を張り上げた私に、余裕そうな副団長は「ははっ」と笑って
「んじゃあ、ちょいと失礼」
その言葉と共に私の身体を軽々と抱き上げた。
「え、ちょ……」
「まぁ遠慮すんなって。ちょっとこのまま先頭に連れてくだけだ」
彼に抱えられてすっかり地面から離れてしまった脚をバタつかせれば、何故か私がそう諭される。
「いや、で、でも……」
「ふっ、なぁに照れるこたぁねぇよ」
それでもごねた私に、彼は鼻で笑うが……
「いや違います。そうじゃなくて」
「あ、違うのか」
そう言って残念そうな顔をする副団長。
いや、絶対この人楽しんでる。……てかそんなことより
「なんで私、小脇にかかえられてるんですか？米俵ですか？もっと色気のある抱え方あったでしょうよ」
「いやぁさすがに横抱きにして走るのはちょっとキツくて……」
「オッサンかよ」
私の言葉に「おぉ……今のグサっときたなぁ」とかぼやいている副団長を他所に、頭上の敵艦隊を見上げ、位置関係を探る。
さっきまでそんな余裕なくてこっちに何機向かってきてるのかも分からずに走ってたから。
抱えられた体勢のまま目を凝らせば、崖道の先に鬱蒼と茂った森に気付く。
多少遠いが仕方ない。この大人数、しかも怪我人連れているのなら攻めより守り。
と結論を出したのと同時にいつのまにか先頭集団に追いついた。
「参謀、逃走経路は？」
尋ねる星海坊主に答える。
「一旦あの先の森へ逃げ込みましょう」
「同意見だ」
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ギラッフェ(プロフ) - 陽-hisa-さん» いつも楽しみにしてくださってありがとうございます。何よりもの励みになっています！今後とも楽しんでいただけると嬉しいです(^^) (9月2日 0時) (
レス) id: 7a3023c2c7 (このIDを非表示/違反報告)
陽-hisa- - お久しぶりです。攘夷とこんなに上手く絡ませている作品、やはり私的にはこの作品が一番です。一番好きです。これからも楽しみにしています。応援しています。 (8月31日 19時) (レス) id: cd440b7134 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - るぅさん» いつもありがとうございます！ベタ褒めしていただいて嬉しい限りです笑 今後ともよろしくお願いします！ (8月22日 9時) (レス) id: 1bbdb8d99e (このIDを非表示/違反報告)
るぅ - いつも読ませて頂いてます！大体どの作品も恋愛系の作品が多いのですが、占ツクで面白い作品に出会えると思ってなかったです笑コメント見させて頂きましたが、オチなしの結末を考えているとの事で個人的にホッとしました笑これからも応援してます！ (8月21日 21時) (レス) @page48 id: 0469468a88 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ひーさん» コメントありがとうございます！読み返してくださるのとても嬉しいです！今後ともよろしくお願いします！ (8月10日 9時) (レス) id: da4440489d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ギラッフェ
| 作成日時：2022年1月26日 0時
