ep348 ページ1
数日前————
「さすが宇宙海賊……やること派手だな」
私は小さな宇宙艇を操縦しながら現在地の座標を確認していた。
そう…ここは先日、第七師団と鬼兵隊が春雨に嵌められ、その大半が宇宙の塵と化した南天楼付近。
宇宙じゃこの手の情報は光の速度で広まる。その後の身の振り方によっては次の犠牲が自分達になるかもしれないと皆知っているからだ。
そのおかげで私も早々に情報を掴んでここに辿り着けたわけだが、
見渡す限り闇と鉄屑の宇宙にどことなく居心地の悪さを感じるのは、久しぶりの単独行動だからだろうか……。
「てかバレたらまた怒られそう」
わざわざ足のつかない違法宇宙艇を借りて一人で行動しているのは、佐々木局長がいなくなった今、敵が次に狙うのは彼と手を組んでいた鬼兵隊と第七師団だと確信したから。
確信した理由は至って明確。
私ならそうすると思ったから。私がそう思ったということは
だって、私はそういうこと全部彼から学んだから——。
私はふと眼を瞑って、信女ちゃんから聞いた虚とかいう天導衆の始祖と松陽の話を思い返す。
両者が同一人物であり、黒縄島の件の黒幕だと知っても何故かあっさりと受け入れられたことには我ながら驚いた。
いや、正しくは寧ろそれを聞いてやっと納得できたと言うべきだな。
私の眼のことを易々と見抜いたことも、その眼との付き合い方を私に説いた時、どこか哀しげな表情をしていた理由も……
全ては彼自身が死すらも超越し、延々と生を繰り返す存在だったから。
脳裏に焼き付いたあの化け物みたいな剣筋も——文字通り化け物だったのなら納得がいく。
「……化け物、ね」
私からそのレッテルを剥がしてくれた松陽に、そんな言葉使う日が来るとは思わなかったけれど……
そう思って重苦しく溜息をつく。
悶々としてしまうのは
まぁ、いずれにせよやるべきことは一つだ。
作戦を考えるために、銀時達より先に何が起こっているかを正確に把握する必要がある。
出来れば鬼兵隊か第七師団の残党を見つけられれば話は早いんだけど……
とそう思っていたところで燃料不足を知らせるライトが点滅した。
「取り敢えず補給しに行きますか」
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ギラッフェ(プロフ) - 陽-hisa-さん» いつも楽しみにしてくださってありがとうございます。何よりもの励みになっています!今後とも楽しんでいただけると嬉しいです(^^) (9月2日 0時) (レス) id: 7a3023c2c7 (このIDを非表示/違反報告)
陽-hisa- - お久しぶりです。攘夷とこんなに上手く絡ませている作品、やはり私的にはこの作品が一番です。一番好きです。これからも楽しみにしています。応援しています。 (8月31日 19時) (レス) id: cd440b7134 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - るぅさん» いつもありがとうございます!ベタ褒めしていただいて嬉しい限りです笑 今後ともよろしくお願いします! (8月22日 9時) (レス) id: 1bbdb8d99e (このIDを非表示/違反報告)
るぅ - いつも読ませて頂いてます!大体どの作品も恋愛系の作品が多いのですが、占ツクで面白い作品に出会えると思ってなかったです笑コメント見させて頂きましたが、オチなしの結末を考えているとの事で個人的にホッとしました笑これからも応援してます! (8月21日 21時) (レス) @page48 id: 0469468a88 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ひーさん» コメントありがとうございます!読み返してくださるのとても嬉しいです!今後ともよろしくお願いします! (8月10日 9時) (レス) id: da4440489d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2022年1月26日 0時