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ep321 ページ24

一方、崖では……


「監察の先輩としてアドバイスしてやろうか。
君達のように下ばかり見ていても足りない。上も下もよく見ること。それが監察の鉄則だ、烏くん」


崖を掘り返した別働隊が奇襲をかけ、


「ふんがぁぁぁああああ!!!」

「ぐへぇっ!!」

沖田によってぶん投げられた神楽が文字通り活路を開き、


「踏みにじれェェェエ!!!」

上陸した土方達が黒縄島の兵を一網打尽にしていた。


しかし次の瞬間、

「う"っ!」

「ぐぁっ!」

前触れもなく降り注いだ数多の矢。


「頂に立つにも天はなお遠し。進みたければその穢れた身を捨てて参れ」


見上げれば右には奈落、左には見廻組がまるで全て読んでいたかのように出迎えていた。


「やれやれ……ようやく登ったってのにここも烏のフンまみれじゃねぇか」


溜息をついた銀時が続けて土方に言う。


「先行け。てめぇはゴリラのフンでも片付けて来い。奴は俺の客だ」


その視線の先に朧の姿。

そしてそれを聞いた沖田は続くようにして信女を睨みつけて言った。


「それじゃあ旦那はそっち、俺ァあっちですねィ」


「総悟……」


思わず引き留めようとした土方を制するように沖田は言う。


「本当は俺も行きてぇが……俺は真選組一番隊隊長、沖田総悟。先陣切って真選組の道を切り開くのが役目だ」


ぐっと刀の柄を握りしめた。


「そしてアンタは真選組鬼の副長、土方十四郎。その道を振り返らず行くのが役目でさァ。
土方さん……いや、副長。局長を頼みます」


眼など一度も合わなかった。
だが、その言葉だけで土方はいつの間にか自分の背筋がすっと伸びていることに気がついた。


「よく聞け……真選組局中法度に最後の一条を加える。
今まで命をかけて守って来た46条、たとえその全てを破ることになろうとも————……生きろ」




 

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ギラッフェ(プロフ) - ろこもこさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて感謝しかありません。前作も必ず完結させるつもりですので長い目で見ていてくださると嬉しいです。これからもよろしくお願いします! (2022年1月18日 23時) (レス) id: 3534028906 (このIDを非表示/違反報告)
ろこもこ(プロフ) - 初めてコメントさせて頂きます!前作の最終兵器に宜しく からずっとファンです…!ギラッフェさんの小説は人物や世界観が作り込まれ、何より愛が感じられて大好きです!!これからも応援しています! (2022年1月18日 15時) (レス) id: c1accee4d9 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - むーさん» そう言っていただけて嬉しいです!ゆるゆる更新してますがどうぞこれからも宜しくおねがいします (2022年1月11日 19時) (レス) id: 3534028906 (このIDを非表示/違反報告)
むー - いつもギラッフェさんの語彙力が凄すぎて本当に尊敬します…これからも頑張ってください! (2022年1月10日 21時) (レス) id: c41de03eef (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ゆりりんさん» コメントありがとうございます!そんなふうに想ってもらっていて感謝しかありません。これからもよろしくお願いします! (2021年11月3日 10時) (レス) id: 26330a8285 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2021年4月22日 16時

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