ep319 ページ22
蜘蛛の子を散らすように島へと降りて殲滅に動き出す見廻組。
その様子を見下ろしながら隣に立つ佐々木局長に尋ねた。
「状況は?」
「島の対岸で船が近づくのが発見されましたが囮でしょう」
「ですね」
つまり銀時達の侵入経路はこちら側の崖。あそこを登ろうとかいうトンデモ作戦を立ててそうだが、それも陽動っぽい。
……となると——……うん、皆まで言わずともいいか。
彼等に上陸してもらえなかったらそもそもお話が始まらないわけだし。
「崖の方には信女さん達を行かせたので問題ありません」
「おそらく奈落もそちらに向かっていると思うので、そこは普通に潰しあっといてもらいましょう」
烏達を欺くくらいなら彼等だけでも思いつくだろう。悪知恵だけは働くからな。
ふっと鼻で笑えばそれを横目に見た佐々木局長が言う。
「あとは烏達がどこまで気づいているかですが……」
「全部バレてる前提で動くのが賢明でしょうね」
だが全てバレていたところで奴等も直ぐには見廻組を潰しはしない。銀時達を消すのに重要な戦力になるから。
見廻組と彼等を潰し合わせ、疲弊しきったところを自分達は最小限の被害で殲滅する。
きっとそんなところだろう。
つまり、時間の猶予は少ないながらもまだある。
取り敢えずは——……
「私達は彼等の頭を仕留めに行きましょうか」
思考の結論は同じところに至ったらしく、目を合わせた佐々木局長からは同じ雰囲気を感じた。
「そうですね。このような場合は先回りするに限ります」
「どっちが先にゴリラ見つけるか競争ですね」
そう言って私達は近藤局長達がいるだろう林の中へと向かった。
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ギラッフェ(プロフ) - ろこもこさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて感謝しかありません。前作も必ず完結させるつもりですので長い目で見ていてくださると嬉しいです。これからもよろしくお願いします! (2022年1月18日 23時) (レス) id: 3534028906 (このIDを非表示/違反報告)
ろこもこ(プロフ) - 初めてコメントさせて頂きます!前作の最終兵器に宜しく からずっとファンです…!ギラッフェさんの小説は人物や世界観が作り込まれ、何より愛が感じられて大好きです!!これからも応援しています! (2022年1月18日 15時) (レス) id: c1accee4d9 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - むーさん» そう言っていただけて嬉しいです!ゆるゆる更新してますがどうぞこれからも宜しくおねがいします (2022年1月11日 19時) (レス) id: 3534028906 (このIDを非表示/違反報告)
むー - いつもギラッフェさんの語彙力が凄すぎて本当に尊敬します…これからも頑張ってください! (2022年1月10日 21時) (レス) id: c41de03eef (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ゆりりんさん» コメントありがとうございます!そんなふうに想ってもらっていて感謝しかありません。これからもよろしくお願いします! (2021年11月3日 10時) (レス) id: 26330a8285 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2021年4月22日 16時