ep300 ページ3
―貴女side―
「……佐々木局長、なんか私避けられてません?」
「誰にですか」
「見廻組の皆さんに」
「……逆に聞きますが、仲良くなれると思ってたんですか」
「思ってましたね、なんなら今もそう思ってます」
そう答えれば「有り得ないだろ、アホかコイツ」とでも言いたげな視線が返ってくる。
別に一緒にお茶をしたいとかそういうわけじゃないんだから高望みでもないだろうに……
と、不満げな顔をして辺りの隊士を見れば、サッと視線を逸らされ、蜘蛛の子が散ったかのように退散される始末。
「嫌ならそう言ってくれればいいのに。逃げられるの1番困るんですよね」
「嫌がられたいと?見かけによらずマゾなんですね」
「違いますマゾじゃないです。むしろ見かけによらないのは貴方のメールの文面の方だと思いますけど」
見廻組の建物内の長い長い廊下を進みながら、そんな価値も無さげな他愛無い話をする。
「私の判断で貴女を雇ったんです。易々と敵視はできませんよ」
「そうは言っても最低限の信頼関係は築いておかないとこれからに響きますから」
それこそ、真選組に配属されたばかりの頃を思い出す。まあ、あちらは敵意剥き出しだったからその分、信頼を勝ち得るのも結果を出せばいい――それだけだったけど。
今回みたいに遠巻きにされてちゃ取り付く島もないというか……。
「そもそも私達は真選組と違って仲良しこよしの集団ではありませんからね」
思い出されるのはテツの件で一悶着起こした時のこと。
あの時は一体どんな組織だ、とも思ったが実際中に入ってみればそこにはそこでちゃんと秩序があるわけで……。
仲良くはないにしても、隊士達が局長に向ける視線はまさに信頼と尊敬だ。
佐々木局長もそれに気付いてないわけじゃないだろうに“仲良しこよし”じゃないとは……。まぁそこは方針の違いか。
はぁ……と所在なく吐き出した溜息と共に局長
室の扉が開く。
既に人払いしてある部屋。扉が閉まって外へ音が漏れないことを確認してから口火を切った。
「で、真選組の方の首尾は?」
840人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ギラッフェ(プロフ) - ろこもこさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて感謝しかありません。前作も必ず完結させるつもりですので長い目で見ていてくださると嬉しいです。これからもよろしくお願いします! (2022年1月18日 23時) (レス) id: 3534028906 (このIDを非表示/違反報告)
ろこもこ(プロフ) - 初めてコメントさせて頂きます!前作の最終兵器に宜しく からずっとファンです…!ギラッフェさんの小説は人物や世界観が作り込まれ、何より愛が感じられて大好きです!!これからも応援しています! (2022年1月18日 15時) (レス) id: c1accee4d9 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - むーさん» そう言っていただけて嬉しいです!ゆるゆる更新してますがどうぞこれからも宜しくおねがいします (2022年1月11日 19時) (レス) id: 3534028906 (このIDを非表示/違反報告)
むー - いつもギラッフェさんの語彙力が凄すぎて本当に尊敬します…これからも頑張ってください! (2022年1月10日 21時) (レス) id: c41de03eef (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ゆりりんさん» コメントありがとうございます!そんなふうに想ってもらっていて感謝しかありません。これからもよろしくお願いします! (2021年11月3日 10時) (レス) id: 26330a8285 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ギラッフェ | 作成日時:2021年4月22日 16時