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ep293 ページ46

―貴女side―


規則正しく揺れるシートの感触でうっすらと眼を開いた。


「橘起きたか?そろそろ着くぞ」


隣から覗かせた副長の顔を見て、あぁそっか帰り道だっけ…と現状を思い出す。

窓の外を見れば見慣れた江戸の街並み。


「私どれくらい寝てました?」

「3時間弱ってとこだな」

「12時間くらい眠ったような気分です」


その証拠に車から船、また車に乗り換えてここまで来たはずなのに、その記憶が全く無い。



「私、ちゃんと自分で歩けてました?」

「あぁ、乗り換えるぞって言ったら起きて歩いてたぞ」

「そのあと速攻で寝てましたけどねィ」

「だろうね。全然覚えてないし」



と言っている間に、車は屯所の前で止まった。


郷愁のようなものを抱えながら門をくぐると直ぐに「あー忘れ物が」とか言って引き返していく副長達。


「先、広間行ってろ」と言われて一人でそのまま進むが…はて、仮にも処罰対象の人間を放り出すのはいかがなものだろう。


なんて思いながら広間のふすまを開けたその時――




パンパンパンッ――!!



どきりとする様な破裂音と共にカラフルな紙吹雪が視界に舞った。


「「橘参謀!契約満了おめでとうございます!」」


それと同時に降り注ぐ大音量の声。
部屋を見回せば、『祝!契約満了!』なんて意味のわからない断幕。


なんとなく状況把握し始めた頃に背後から局長達が現れた。



「サプライズにすると言って聞かなくてな」

局長に続いて


「Aさん、本当は分かってましたよねィ?」

隣に立った沖田君がいつも通りの無表情で私に聞く。


「おめぇならいつでも逃げられたのに逃げなかったってことはそうだろ」


漂う圧からして、誤魔化せそうもないので仕方なく話すことにする。


「まぁ、処罰免除なんだろうなとは思いましたね」

「根拠は?」


「だって、私が処罰されると決まって真選組が大人しく従うわけないじゃないですか。本当にそうなったら長官に直談判してでも免除を掛け合ってくれるでしょう?」


そう尋ねれば「はぁ…」と大袈裟な溜息が吐かれる。



「相変わらずつまんねぇ人ですねィ、Aさん」


そう言いつつも満足げな表情をしている沖田君に


「そう考えるくらいに真選組を信頼してるってことなんだからいいじゃん」


と返して部屋に踏み入った。

するとたちまち集まる男の衆。


「では、橘参謀の契約満了を記念して……」


「「乾杯!!」」


こうして祝賀会の幕は切って落とされた。


 

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ギラッフェ(プロフ) - ゆうゆさん» コメントありがとうございます!楽しみにして下さってて本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いします! (2021年3月1日 1時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ひなたさん» コメントありがとうございます!テストに間に合ってよかったです。これからもよろしくお願いします! (2021年3月1日 1時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうゆ - 更新凄く楽しみに待ってました!応援してます、これからも頑張ってください!! (2021年2月26日 1時) (レス) id: 90e018deaa (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - めちゃめちゃ楽しみにしてました!これからの展開が楽しみですこれで明日のテスト頑張れます! (2021年2月26日 1時) (レス) id: a90e951796 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - じゅうぞうさん» コメントありがとうございます!なかなか更新できずすみませんでした。応援ありがとうございます! (2021年2月26日 1時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2020年8月29日 0時

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